『美食探偵』プロデューサーが明かす撮影の裏側 中村倫也、小芝風花らの演技は何をもたらした?

『美食探偵』Pが明かす撮影の裏側

「食べることの大事さとその意味を感じていただければ」

ーー第6話のラストシーンでの特殊な撮影方法(参考:『美食探偵』第6話は一部で“通常と異なる”撮影 第7話以降は放送延期、3週にわたって特別編に)も話題を呼びました。

荻野:あの撮影は、ドラマの世界観を崩してまでやる必要があるのかという葛藤も当初はありました。あの部分をカットしても、尺自体は足りていたから放送はできたんです。でも第6話は、明智、マリア、苺の三角関係を表現する重要な回だったので、あのシーンがないと成立しない。そこで、「朗読でもいいからやりたい」と会社にも中村さんにも小芝さんにも提案して。うまくいくか不安だったんですが、撮り終わったものを観たときはあまりにも素晴らしかったので、「やってよかった」と思いましたね。実は、あのシーンはテストなしの一発本番なんです。中村さんと小芝さんだからこそできたことですね。

ーー本日が最終話放送日となりますが、見どころは?

荻野:先ほど述べたように、明智、マリア、苺の三角関係がドラマのメインテーマでもあるので、その結末にはもちろん注目してほしいですし、マリアがこれまで以上の殺人計画を企てるので、サスペンス的な面白さもあります。とんでもないことが起こります(笑)。台本の段階から作っていて面白かったし、上がったものもすごく自信を持ってお届けできます。何より中村さんの演技ですね。観ていただけたら、「中村倫也ってすごい役者なんだ」と改めて実感させられるかと思います。これまで喜怒哀楽をあまり表に出してこなかった明智が感情をあらわにするシーンがあるのですが、撮影のときは、カットがかかった瞬間に思わず拍手してしまいました(笑)。楽しみにしていてください。あと、原作との違いも楽しんでいただければ嬉しいですね。最終話の放送が終わっても原作の連載は続きますので。

ーー最後に、視聴者へのメッセージを。

荻野:東村さんが「生きることは食べること」だとおっしゃっていて。本作において、殺人の動機は全て食にまつわることなんです。愛することも憎むこともあらゆることが、食べることとリンクしている。最終話で、改めて食べることの大事さとその意味を感じていただければ嬉しいです。

■放送情報
『美食探偵 明智五郎』
日本テレビ系にて、毎週日曜22:30〜23:25放送(最終話は30分拡大放送)
出演:中村倫也、小芝風花、小池栄子、北村有起哉、佐藤寛太、富田望生、志田未来
原作:『美食探偵 明智五郎』東村アキコ(集英社『ココハナ』連載)
脚本:田辺茂範
チーフプロデューサー:西憲彦
プロデューサー:荻野哲弘、本多繁勝(AX-ON)、西紀州(AX-ON)
協力プロデューサー:吉川恵美子
演出:菅原伸太郎、水野格ほか
制作協力:AX-ON
製作著作:日本テレビ
(c)日本テレビ (c)東村アキコ/集英社
公式Twitter:@bishoku_ntv

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