UPLINK・浅井隆氏が謝罪と今後の対応を発表 「一番の問題は尊厳を傷つけていることに自覚がなかったこと」

 有限会社アップリンク取締役社長の浅井隆氏が、元従業員5人からハラスメントを受けたとして6月16日に損害賠償などを請求する訴訟を提起された件について、謝罪と今後の対応を文書で発表した。

 浅井氏は、元従業員の5名、現在勤務している従業員に向け、「私のこれまでの言動に過ちがあったことを認め、傷つけたことを深く謝罪致します。また、これまでアップリンクを支えて下さったお客様、関係者の皆様にもお詫び申し上げます。コロナ禍で映画館の営業ができなかった時も、配信やチケットを購入してくださったり、寄付してくださったり、温かいお言葉をかけていただきました。そうしたお気持ちを裏切るような行動を深く反省し、今後決して繰り返さないよう、努めて参ります」と謝罪。

 パワハラが発生した要因については、「この2年間の急成長下、100人を超える従業員を擁する会社として、規模に応じた組織づくりを行なうことができていませんでした」と語り、スタッフひとりひとりに過大な負荷がかかる状況が常態化していたことを説明し、「スタッフに過度のプレッシャーを与えること自体がハラスメントにあたるという認識が自分に欠けていました」と反省の弁を述べる。

 また、「一番の自分自身の問題は、スタッフに対して人としての尊厳を傷つけていることに自覚がなかったことです。よい仕事をするには注意して直していくことが必要なのだ、その注意は、理不尽ではないと思っていました。力によって仕事をやらせようとする行為、それこそがパワー・ハラスメントであるという認識が欠けていました。自分自身のマネージメント能力の低さに他なりません」と述べる。

 今後のアップリンクの運営については、「通常の会社であれば、自分が退くことで会社を刷新させることができるのかもしれませんが、アップリンクは自分一人で始めた会社で、全ての経済的リスクを負ってきました。現在も多額の負債があり、その連帯保証人は自分一人です。そういった中で誰かに社長を務めてもらうことは難しい状況です。私自身が会社を退くということは、アップリンクがなくなり現従業員を路頭に迷わすことになります。自分自身と会社を変革し、ハラスメントのない会社、そして今まで以上に映画という文化、映画産業において、有意義かつ独自性の高い活動をしていく会社にする所存です」と退任は否定し、今後の改革を誓った。

 具体的な今後の改革として、下記の5件を挙げている。

外部委員会の設置

社外の専門機関に、現在の社内の課題に関して調査を依頼します。徹底的に調査し現状を把握し、問題がある部分を改善し、コンプライアンスの徹底を致します。

通報制度・窓口の設置

今後のハラスメント防止対策として外部への通報制度の整備を行います。

社内体制の改革・スタッフとの定期的な協議

社内の組織体制整備、とくにマネージメントの体制を整えます。また、スタッフとの定期的な協議を行います。

取締役会の設置

現在、有限会社アップリンクの取締役は自分 1 名ですが、今後は、社内外含め複数の取締役で運営を行うべく準備中です。

セミナー、カウンセリングへの参加

叱責、暴言などは、感情のコントロールがきかないことも要因だと思います。アンガーマネジメントなどのカウンセリングを受け、自身の問題解決に臨みます。また、私自身はもちろん、上司となる立場のスタッフにも研修を受けてもらい、徹底的なハラスメント撲滅に取り組みます。

 浅井氏のコメント全文はアップリンクの公式サイトで確認できる。

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