山本舞香、『ハケンの品格』で天真爛漫に突っ走る 業務内容で隔てられた派遣社員と正社員

 自らの行動で後輩派遣社員を導く春子(篠原涼子)。派遣としての働き方から、社会の歯車に乗る方法までを見せ、またもや春子の活躍でS&Fは窮地を脱することができた。

 『ハケンの品格』(日本テレビ系)第2話では、派遣社員である小夏(山本舞香)が人気蕎麦店「京橋庵」とのコラボ商品の企画に携わりたいと浅野(勝地涼)に申し出る。浅野は個人の判断で承諾。通った浅野の企画案の誤植をきっかけに、その案が、小夏の企画であることが社内にバレてしまう。宇野(塚地武雅)は激怒し、派遣と社員は立場が違うと語気を荒げた。

 しかし、小夏の企画は「京橋庵」に気に入られ、プレゼン中に小夏の企画書も提出してほしいと言われる。急遽企画書を修正し、届けようとする一同を救ったのは、またもや春子だった。

 派遣の企画が通ってしまい社内に混乱を招くというのは、『ハケンの品格』第1シーズンでも描かれた主題だ。今でもなお、派遣社員は業務内容も会社に対する態度も正社員とは一線を画すものと描かれる。故に、「社員ファーストの会社を目指します」「会社は船だ、社員は家族だ」などという台詞で、春子ら派遣にとって居心地の悪い空間づくりがされている描写がうかがえた。

 春子に「天真爛漫」と揶揄される小夏は、仕事に対しても意欲的で明るい性格。だが曲がったことを受け入れられない不器用さも垣間見えるキャラクターだ。そんな小夏を演じるのは、女優だけでなくファッションモデルとしても活躍する山本舞香だ。ドラマ『死にたい夜にかぎって』(MBS/TBS)や映画『東京喰種 トーキョーグール【S】』でヒロインを務めた、新進気鋭の若手女優である。まさにS&Fに新米派遣として入ってきた小夏の姿に重なるフレッシュな存在だ。山本の魅力はやはり大きな口で笑う満面の笑顔だろう。浅野や春子の前で見せる屈託のない表情から、小夏の真っ直ぐな性格が強く伝わってくる。この笑顔は小夏の業務の出来不出来に関わらず、好感の持てるキャラクターが成立するためのキーともなるだろう。

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