『過保護のカホコ』の高畑充希はなぜ愛される? 新たなヒロイン像を生んだ原点を振り返る

『過保護のカホコ』高畑充希の原点を辿る

 『過保護のカホコ』特別編が、日本テレビ(関東ローカル)にて放送中だ。遊川和彦の脚本、高畑充希と竹内涼真の初々しい恋愛模様が話題を呼び、未だ根強いファンが多い本作は、高畑の現在の代表作の一つとも言える。『過保護のカホコ』の高畑演じるカホコはなぜこんなにも愛され続けるのだろうか?

 舞台で培った確かな演技力で、若手女優の中でも演技派として数々の作品を彩ってきた女優・高畑充希。最近では、「変な人三部作」と高畑自身も言う『過保護のカホコ』、『忘却のサチコ』(テレビ東京系)、『同期のサクラ』(日本テレビ系)と、ピュア過ぎて真っすぐな変人役が多く、高畑にしか演じることができない唯一無二の存在感を見せている。そのきっかけとなる役がカホコだ。高畑は2016年にNHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』で連続ドラマ初主演を務め、大ブレイクを果たし、その翌年に本作で民放連続ドラマ初主演となった。

 駅への送迎や弁当作り、服のコーディネートなど、何から何まで親の庇護のもと、温々と生きてきた奇跡の“純粋培養人間”の女子大生・根本加穂子(カホコ・高畑充希)。そんな史上最強の箱入り娘の前に現れたのが、カホコとは真逆の環境で人生を送ってきた青年・麦野初(竹内涼真)だ。麦野に「お前みたいな過保護が日本をダメにするんだ」と告げられて以降、カホコの「自分探し」が始まり、様々な経験を通して、家族や親戚が抱える問題を次々と解決していくのが本作の主なプロット。

 このドラマの魅力は、何と言ってもカホコの愛くるしいキャラクターだ。猪突猛進型のピュアな性格で、未経験のバイトをさせれば、「カホコ人の幸せのために働きたい!」と最後まで一生懸命にやり通す。冗談で金を要求されれば、真に受けて高額の金を用意するなど、不器用ながらもまるで忠犬ハチ公のような健気さが、視聴者の心を掴んで離さない。カホコは、他人の痛みに敏感でもある。チェリストの従姉妹・糸(久保田紗友)に自分や家族を否定された際にも、それに対し言い返さず、家族に心配させないよう1人悩み苦しむ姿から、単に「天然の子」ではないことに気づかされる。

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