田村淳が語る、海外ドラマと『ブラックリスト』の魅力 「僕のなかのヒーロー像が変わった」

田村淳が語る『ブラックリスト』の魅力

 全米での放送開始以来、高視聴率を獲得し続けているジェームズ・スペイダー主演のアクション・サスペンスドラマ『ブラックリスト』。海外ドラマ専門チャンネル「スーパー!ドラマTV」では本シリーズの7作目が現在、独占日本初放送されている。

 最重要指名手配を受ける犯罪者レイモンド・“レッド”・レディントン(ジェームズ・スペイダー)が突然、FBI本部に出頭し、厳重に拘束された。世界の犯罪者の間で“犯罪コンシェルジュ”と呼ばれるレッドは、FBIアカデミーで訓練を終えたばかりの新人女性捜査官エリザベス・キーン(メーガン・ブーン)としか話さないと言い、20年かけて集めた世界中の犯罪者の情報“ブラックリスト”を合衆国に提供すると申し出る。FBIやCIAが存在すら把握していない犯罪者のことまで知りつくし、超法規的に一定の自由を保障されるレッド。大事故を偽装して標的の命を奪う者、スパイ専門の殺し屋、遺体解体のプロ、大量殺人兵器を作る科学者など、斬新な犯罪者が次々に出現するなか、レッドは、“リスト”に載った犯罪者の逮捕に協力することもあれば、その背後で暗躍して敵を排除し、金や権力を手に入れることも。果たして、レッドの目的は人類の救世主になることなのか、それとも悪の頂点に立つためなのか。

 今回リアルサウンド映画部では、『ブラックリスト』を家族で楽しんでいるという田村淳にインタビュー。これまでハマってきた海外ドラマの話から、なかでも『ブラックリスト』の魅力について、たっぷりと語ってもらった。(編集部)

「パートナーと長く観続けることできるのが海外ドラマ」

――“STAY HOME”が推奨されている今、この機会に「海外ドラマに挑戦してみよう」、「でも、どれから観ていいのかわからない」といった声を多く耳にしますが、淳さんは以前から、かなり海外ドラマをご覧になっているとか? いつ頃から、海外ドラマを観るようになったのですか?

田村淳(以下、淳):僕、今はもう海外ドラマばっかり観ています。中学生の頃だったかな? レンタルビデオ屋さんに置いてあった『V(ビジター)』(※1983年から1984年に放送され、世界的に人気を博したアメリカのSFドラマ。2009年にはリメイク版新シリーズも制作された)を何気なく借りてきて観始めたら、すごく面白くて。宇宙人が出てくるやつ。それまでは海外ドラマにまったく興味がなかったんですけど、『V』を観始めたら面白くて。向こうのドラマって、長期シリーズでやるじゃないですか。

田村淳に5月某日にZoom取材を実施した際の様子

――『V』も翌年にシーズン2が制作されていますし、海外ドラマはその後シリーズ化されるものも多いですよね。

淳:僕は一度ハマったら、その作品を長く愛でたいほうなんです。当時、日本の『北の国から』(フジテレビ系)とかも大好きだったんですけど、あのドラマもその後長いこと続きましたし。そうやって、長いあいだずっと観続けることのできるドラマが自分は好きで。今の日本のドラマって、基本的に11話とか12話で終わっちゃいますよね。最近は“シーズン2”みたいな形で、続編が作られたりしていますけど、僕が中学生の頃は、そういうものはほぼ無くて。向こうのドラマは、人気が出てきたら、すぐに次のシリーズの脚本作りに取り掛かるみたいなことを聞いて……それはやっぱり規模が違うというか、面白いと思ったらとことん打ち込む姿勢が、すごいなと思ったんです。

――なるほど。「海外ドラマは長くて観るのが大変そう」という声も聞きますが、淳さんの場合は、むしろ長いからこそ良かったと。ちなみに、『V』のあとは、どんな海外ドラマをご覧になっていたんですか?

淳:いろいろ観てきたんですけど、今も続いているものだったら、『グレイズ・アナトミー 恋の解剖学』(※2005年にスタートした人気医療ドラマ。現在シーズン16まで制作されている)は、結構ハマりました。『グレイズ・アナトミー』は、今の奥さんと付き合い始めたときに観始めて、そのあと一回別れて、また付き合って、そのあと結婚して、子どもができて……っていうあいだも、全部一緒に観ているので、結構思い入れが強いんです(笑)。そうやってパートナーと同じドラマを長いこと観続けることできるのが、海外ドラマのいいところですね。それは『ブラックリスト』も同じで……『ブラックリスト』も結構長いじゃないですか。

――2013年にアメリカで放送が始まって、現在日本で放送しているのが“シーズン7”ですから、結構長いですよね。

淳:みんなが『セックス・アンド・ザ・シティ』(※1998年から2004年まで放送され、社会現象となった人気ドラマ。全6シーズン)にハマっているときに、僕はあんまりそっちには行かず、むしろ『デスパレートな妻たち』(※2004年から2012年まで放送された人気ドラマ。全8シーズン)のほうにハマっていたり、あとは『プリズン・ブレイク』(※2005年から2009年まで4シーズンが放送されたあと、2017年に復活した人気ドラマ)もハマったし、不思議な島に流れ着くやつ……そう、『LOST』(※2004年から2010年まで放送。全6シーズン)も面白かったし、『ゴシップガール』(※2007年から2012年まで放送。全6シーズン)や『glee/グリー』(※2009年から2015年まで放送。全6シーズン)もハマって観ていました。あと、『ダークエンジェル』(※2000年から2002年まで放送。全2シーズン)も好きでしたね。

――結構まんべんなくご覧になってますね(笑)。そうやって淳さんがハマる作品のポイントや共通点みたいなものって何かあるんですか?

淳:うーん……ジャンルや物語というよりも、まずはやっぱり、キャラクターですよね。アメリカのドラマは長いから、どのキャラクターも、みんな輝き出すみたいなところがあって。その輝いたキャラクターを主人公として、そこから派生したドラマが生まれたり……例えば、学校の先生が覚せい剤を作る話とかも、そうでしたよね。

――『ブレイキング・バッド』(※2008年から2013年まで放送。全5シーズン)ですか?

淳:そうそう。『ブレイキング・バッド』に登場したインチキ弁護士(※ボブ・オデンカークが演じる“ソウル・グッドマン”)の話が、そのあと『ベター・コール・ソウル』(※2015年に放送開始。現在シーズン5まで制作されている)として始まるのとか、すごい規模感だと思うし、そうやって登場人物をとことん味わい尽くす感じがいいんですよね。あとはやっぱり、脚本の面白さ。1話単体としても面白いんだけど、そこにちゃんと伏線が張り巡らされていて、それを徐々に回収していく感じが、すごいじゃないですか。そういう“脚本の力”をとても感じるというか、『ブラックリスト』も最初に観たときは、「すごく面白い設定だけど、この設定でどこまで持つんだろう?」と思っていたんですけど、シーズン7まで続いているし。それと、海外ドラマって、「このキャラクターは、いなくなってほしくないな」とみんなが思っているようなキャラクターが、途中でパーンといなくなったりするから。

――海外ドラマあるあるですね(笑)。

淳:でも、それがちゃんと、ドラマ全体の面白さに繋がっていて、その思い切りの良さみたいなものも、僕はとても好きなんですよね。

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