『美食探偵』特別編でそれぞれの過去が明らかに 志田未来が“裏メニュー”で見せた名演

 新型コロナウイルス感染拡大の影響により『美食探偵 明智五郎』(日本テレビ系)は撮影が一時中断に。延期となった第7話の放送に先駆けて、今週から3週連続で特別編が放送されることになった。その特別編では、これまでの全6話に登場したさまざまな殺人犯たちの、犯行に及ぶまでの背景を“裏メニュー”として描いていく。特別編第1弾となる今回は、探偵・明智五郎(中村倫也)が“美食家”となった背景と、第2話“カップル毒殺事件”の犯人・茜(志田未来)が犯行に及ぶに至る本編では描かれなかったもうひとつの理由に迫る。

 母親や弟は味音痴であるとすでに知らされているなか、明智五郎はなぜ美食家になり得たのか。結論から言うとそれは生まれながらにして“舌が肥えていたから”ということでもあるのだが、彼が食の味を突き詰めるに至るには、祖父である明智五十六(坂本あきら)との心温まるエピソードがあった。

 おそらく祖父からの遺伝であったのだろう、五郎と同じく食に精通していた五十六。五郎の食への敏感さを見初めた五十六は「なんでも食べさせてやるよ」と大見得を切ると、五郎は「お寿司が食べたい」と答える。子どもながらにしてさすがの高級志向を見せる孫の姿に五十六も満足気で、東京でいちばんのお寿司を食べさせてあげることに。この頃からすでに「美味しい」ではなく「悪くない」と味の最大評価を伝える姿は健在。五十六が孫に「どこがどう美味しいのか教えてくれ」と料理への批評精神まで教え込む姿から、五郎が美食家に育つ過程を垣間見ることができた。

 さらに五十六は、高級料理以外にも美味しいものはそこら中に存在していると伝えるために、街中にある肉屋のコロッケを五郎に食べさせる。例えば小林苺(小芝風花)の作る磯辺揚げを好んで食す姿からもわかる通り、五郎が必ずしも高級志向ではなく、値段で味を見極めていない点は祖父からの教えによるものだということが明らかになった。五十六が五郎に伝えた「一流の料理人はな、自分の舌で見つけるんだ」という言葉は、自分の舌と目で犯人を追う、五郎の探偵としての姿勢にも影響を及ぼしているのだろう。「僕が大人になったら僕が見つけた美味しいお店をじぃじに教えてあげる!」と無邪気に伝える五郎だが、残念ながらその約束は遂げられなかった様子。五十六との関係は今後の展開に繋がってくるのだろうか。

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