アニメを交えて最終話を放送する作品も? コロナ禍で新たな打開策を模索する米エンタメ界

 米FOXで放送されている人気番組『Empire 成功の代償』シリーズで、FOXは同番組の最終シーズンとなるシーズン6のフィナーレを撮影しないまま終了することを決めた。同ドラマはシーズン6で20エピソードを予定していたが、エピソード19の途中で撮影休止、しばらくはこの状態が続くと判断した製作陣は残りの撮影をあきらめ、すでに撮り終えているエピソード18にエピソード19をつなげて編集し、シリーズのフィナーレにすることを決定した。

 米チャンネル、CWとワーナーの共同製作の『スーパーナチュラル』は、最終シーズンの撮影が終盤に達していたが、新型コロナウイルスで放送自体も休止した。だが、今年の秋に放送されることが決まっている。同じくCWで放送されている『リバーデイル』は、製作陣の1人が感染と接触したことが判明し、シーズン4の撮影を中断していたが、現在はシーズン4の撮影は終了している。

 米ケーブルチャンネル、FXは、人気シリーズ『FARGO/ファーゴ』のシーズン4は放映を延期、ドナルド・グローバーが手がける『アトランタ』はシーズン4の撮影を凍結したが、シーズン3は2021年の1月に放送されることになっている。

 一方、Netflixは、2020年の配信を予定している多くのTV番組を既に撮影を終了し、リモート作業により最終調整が行われていたが、新型コロナウイルスが蔓延してからは、全ての映画・TVプロダクションの撮影を中止していて、人気TVシリーズ『ストレンジャー・シングス 未知の世界』のシーズン4、『グレイス&フランキー』のシーズン7、『ロシアン・ドール:謎のタイムループ』シーズン2も同様に撮影を中止した。

 アップルも同社の配信サービス「Apple TV+」向けのジェイソン・モモア主演の『See 〜暗闇の世界〜』、M・ナイト・シャマラン製作の『サーヴァント ターナー家の子守』、ジョエル・キネマン主演の『フォー・オール・マンカインド』などの撮影が中断された。アマゾン・スタジオズも、プラハを撮影していたオーランド・ブルーム&カーラ・デルヴィーニュ主演のファンタジー・ドラマ『カーニバル・ロウ』の撮影を中断している。

 この米エンターテインメント業界の未曾有の危機は、俳優たちにも影響を及ぼし、一番最初に感染が注目されたのは、トム・ハンクスと彼の妻リタ・ウィルソンだった。彼らは、症状や回復する過程もSNSで明らかにし、ハリウッドの人々も感染は、人ごとではないという警鐘を鳴らすきっかけになった。

 その後、映画『007 慰めの報酬』のボンドガールを演じたオルガ・キュリレンコが発熱と倦怠感を明かし、『アントラージュ★オレたちのハリウッド:ザ・ムービー』のデビ・メイザーは、新型コロナウイルスの症状が見え始めた時に、すぐにテストを受けられなくて、ある人に緊急のテストが行える場所を紹介してもらったことを語っていた。中には、TVシリーズ『刑事ジョン・ルーサー』のイドリス・エルバは感染したものの、それほど調子が悪くなかったと報告している人もいれば、TVシリーズ『HAWAII FIVE-O』のダニエル・デイ・キムのように、新型コロナウイルスでアジア人が偏見をもたれ、暴力被害に遭っていることに触れ、そのような行為をやめるように主張した俳優もいた。

 さらに、外出自粛や在宅勤務などで人々が精神的にも辛くなり始めた時に、ハリウッドでは、その人々の塞ぎ込んだ気持ちを回復させるようなビデオを製作して、YouTubeやSNSで拡散し始めた。その中でも人々の目を引いたビデオは、TVシリーズ『フルハウス』の外出自粛バージョンやTVシリーズ『ジ・オフィス』のジョン・クラシンスキーのYoutubeチャンネル「Some Good News」で、後者は人々の気持ちを高揚させるために、ミュージカル『ハミルトン 』のキャスト陣がリモートで歌を披露した。

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