アニメを交えて最終話を放送する作品も? コロナ禍で新たな打開策を模索する米エンタメ界

 世界中で新型コロナウイルスの感染拡大によって、外出自粛や在宅勤務が続く中、エンターテインメント業界は、これまで対応したことのないような未知の領域で、新たな打開策を模索している。

『ブラックリスト シーズン7』

 日本では、バラエティ番組ではリモート撮影を行っているものの、ドラマ番組の撮影は中断し、過去の人気ドラマを再放送している。だが先日、緊急事態宣言が39県で解除され、残りの8都道府県も5月31日まで緊急事態措置を取ることになった。そして、6月には規定のルールを守りながら撮影が再開されると思われる。

 そんな中、アメリカでは新型コロナウイルスの影響で撮影を中断したある番組の対処方法に注目が集まっている。それは、アメリカのNBCで放送されているTVシリーズ『ブラックリスト』のシーズン7の最終話となる第19話で、撮影中断後にシーズン7をスタッフや視聴者が納得のいく形で終了させるために、クリエイターたちが撮影が完了していなかったシーンをアニメ化し、既に撮影済みの実写シーンと交錯させて、エピソードを完成させたのだ。わずか2、3週間でアニメを完成させたことや、ストーリーを明確にさせて、シーズンを終えたことが、視聴者の間で評価された。

 もともとアメリカでは、大きなネットワーク局が制作するドラマは、撮影を9月に開始して翌年の5月に終えるものが多く、1シーズンで22話で描くことが多いため、新型コロナウイルスで3月中旬あるいは4月から撮影を中断することになったTV番組は、現在、放送されている番組には影響を及ぼさなかったり、ほとんど撮影を終えていたことで、余っていた映像をうまくつなぎ合わせて編集している番組もあった。今回は、そんな新型コロナウイルスで中断した番組、打開策を図った番組などを含め、現在のアメリカのTV番組の状況を紹介したい。

 まず、わりと早めに制作を中断したのが、HBO Maxが手がけるアンセル・エルゴートと渡辺謙共演の『トウキョウ・バイス』だった。2020年3月上旬から東京で撮影が開始されたものの、その約1週間後に撮影の中断を決定し、日本に来ていたアメリカのクルーも随時帰国していた。ただ、撮影が東京であるため、撮影の再開も近いと思われる。

 さらに、米AMCの人気番組『ウォーキング・デッド』も、シーズン10の最終話のポスト・プロダクションを終えることができず、今年の後半期に最終話の放送を延期した。さらに、シーズン11の撮影準備も進められていたが、こちらもクルーの健康を考慮して延期されたものの、脚本家チームは作業をリモートで行うことを明かしている。さらに、新スピンオフとなる『The Walking Dead:Beyond World(原題)』は、現地時間4月12日に初放送を迎える予定だったが、今年の後半まで延期された。

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