木村文乃×門脇麦×川口春奈、物語を引っ張る存在に 『麒麟がくる』3人のヒロインを追う

 熙子には、恋に疎いと思われた光秀が一瞬で心奪われあっさり求婚。正室になってからの熙子はとにかく光秀に献身的。美濃の守護代である道三(本木雅弘)と息子・高政(伊藤英明)の争いで、明智の領地がお取替えになるかもと光秀が言うと「それは美濃のために良いことなら私は十兵衛様に付いて参るだけでございます」と答え、またその2人のどちら側に立つか迷っていると、熙子は険しい目で「すでに覚悟を。あと十兵衛様の御心のままに」と、決して意見を言わずに決心を固めさせる。人が相談するときは、自分の行きたい方向はすでに決まっていて、その後押しがほしいということが多いが、熙子はその光秀の気持ちが分かっている。例えその選択は間違っていても、光秀を信じてたひたすら寄り添う、そうした肝のすわった女性だ。

 大河ドラマで、『利家とまつ~加賀百万石物語~』(2002年)の前田利家の妻・まつ(松嶋菜々子)や、『功名が辻』(2006年)の千代(仲間由紀恵)が、戦国武将の内助の功として代表的な人物であり、両名とも自らが動き夫を出世させていくが、出世よりも夫の選択を尊重する熙子が、実は正室として最も硬派ではないだろうか。本日放送の「長良川の対決」後、歴史的には高政の怒りの矛先は道三側に付いた明智家に向かうことが予想される。これから光秀も波乱の時代を迎えることになるが、熙子がいかに最後まで寄り添い、光秀のオアシスとなるか、その献身ぶりに注目したい。

 今作においては、3人のヒロインの性格が殿方に反映されているというのが面白い。これまで3人の振る舞いで、いかに光秀が魅力的な人物なのかを浮き彫りにしてきたが、これからはいかに戦乱の世を彩っていくのか、3人の活躍に期待する。

■放送情報
大河ドラマ『麒麟がくる』写真提供=NHK
NHK総合にて、毎週日曜20:00〜放送
BSプレミアムにて、毎週日曜18:00〜放送
BS4Kにて、毎週日曜9:00〜放送
主演:長谷川博己
作:池端俊策
語り:市川海老蔵
音楽:ジョン・グラム
制作統括:落合将、藤並英樹
プロデューサー:中野亮平
演出:大原拓、一色隆司、佐々木善春、深川貴志
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/kirin/
公式Twitter:@nhk_kirin

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