伊藤英明が一番大切な人のために病室で唱えた念仏 『念唱』最終回が示した答え

 その後松本は、憲次の容態が悪い中、苦渋の決断で救急搬送された患者の元に走った。ここで松本はやっと、命を平等に扱えるようになる。そして本来松本が目指していた“救うことと見送ること”の答えが出るのであった。憲次は、自分を置いて未来ある命に向かう松本に微笑む。松本にとって救うことは償いから自身の欲へと変わっていた。そして未来ある患者の“生”に向けて、意欲的に処置に臨むのであった。

 仏教を通してあおば台病院の医師らを救ってきた松本は、親友である憲次を囲む仲間の姿から、一歩前へと進む。憲次の病室に並ぶ、仏像と地蔵の編みぐるみやコケのプレゼントには、憲次と松本を支えようと手を差し伸べるあおば台病院の仲間たちからの愛が詰まっていた。

 そして松本は、憲次を見送るために病室で大きな声で念仏を唱える。これには他の患者さんの手前、澁沢(余貴美子)から苦情が入るが、玉井(萩原聖人)がそっとそんな澁沢をなだめる。松本は、一番大切な人のために病室で念仏を唱えたのだ。

■Nana Numoto
日本大学芸術学部映画学科卒。映画・ファッション系ライター。映像の美術等も手がける。批評同人誌『ヱクリヲ』などに寄稿。Twitter

■放送情報
金曜ドラマ『病室で念仏を唱えないでください』
TBS系にて、毎週金曜22:00~22:54放送
出演:伊藤英明、ムロツヨシ、松本穂香、片寄涼太(GENERATIONS from EXILE TRIBE)、唐田えりか、谷恭輔、うらじぬの、土路生優里、吉田日向、土村芳、安井順平、時朗、横田真悠、堀内健、宮崎美子、余貴美子、泉谷しげる、萩原聖人、中谷美紀
第1話ゲスト:hitomi、永山竜弥、丸山ゴンザレス、飯窪春菜
原作:こやす珠世『病室で念仏を唱えないでください』(小学館『ビッグコミック』連載中)
脚本:吉澤智子
演出:平野俊一、岡本伸吾、泉正英、
プロデューサー:峠田浩
製作著作:TBS
(c)TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/nembutsu_tbs/

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