若手俳優たちをサポートするキャラクター役で重宝? 安田顕の安心感

 土曜ナイトドラマ『アリバイ崩し承ります』(テレビ朝日系)で主人公を演じる浜辺美波とバディを組む安田顕。安田演じる察時は警察庁のキャリアだったが、訳あって左遷させられた役どころ。事件に孤軍奮闘する察時は、葛藤の末、浜辺演じる時乃に“アリバイ崩し”を依頼した。第1話では「“アリバイ崩し”の依頼は1回きりにする」と言っていた察時だが、第2話では、“アリバイ崩し”の仕事を専属で依頼することに。時乃が出した条件を渋々のんだ形ではあるが、以降、察時は時乃の“アリバイ崩し”に協力することになる。

 安田と言えば、これまでも若手俳優たちと共演し、彼女たちをサポートするキャラクターを演じていた印象が強い。

 安田は、今回の浜辺同様にバディ関係として『正義のセ』(日本テレビ系)で吉高由里子をサポートする事務官を、『白衣の戦士!』(日本テレビ系)では医師役として中条あやみの相談相手となり、手助けする役柄を演じた。また『問題のあるレストラン』(フジテレビ系)では高畑充希、二階堂ふみ、松岡茉優らをはじめとする「ビストロ・フー」のメンバーの力になるパティシエを演じていた。今では若手の第一線を走る大物俳優たちの中で、そしてでこぼこなキャラの強い「ビストロ・フー」のメンバーの中で、うまくバランスをとり、登場人物たちをさりげなく支えるポジションを担ってきた。

 安田がこのようなポジションに立つことが多いのは、確かな演技力はもちろん、安田自身が持つ、落ち着いた空気が、若手俳優たちが演じる芯の強いキャラクターを引き立てるからだと考える。若手俳優たちが演じるキャラクターはまっすぐ問題に立ち向かうが、その正義感の強さが騒動を巻き起こしてきた。そこで安田が演じるキャラクターが穏やかに助言を与える。彼のさりげない言動が彼女たちの支えになり、問題が解決に向かうのだ。脇役がいるからこそ主人公の存在が引き立つ。安田の安定した役どころが、彼女たちの芯の強さを過剰に感じさせることなく際立たせる。

 所属する劇団「TEAM NACS」の芝居で個性的な役柄を当てられることが多い安田だが、観客を笑わせたかと思えば、シリアスな場面ではグッと観客の心を鷲掴みにする。キャラクターを自分のものにし、なおかつ求心力を発揮する演技力があるからこそ、視聴者は安心して引き込まれた物語に没頭できるのだ。

関連記事