水野美紀、『絶対零度』で『スカーレット』とは別人の演技 シーズン4は最も入り組んだ物語に

 沢村一樹が主演を務める『絶対零度~未然犯罪潜入捜査~』(フジテレビ系)が、1月27日に第4話を迎えた。

 第1話から井沢(沢村一樹)、山内(横山裕)、小田切(本田翼)と順にフィーチャーされてきた物語は、第4話にてシーズン4から新キャストとなった香坂(水野美紀)にスポットが当たる。謎に包まれていた香坂の“決して公にできない過去”。それは、殺人者の娘という加害者家族としての消すことのできない過去だ。

 1994年、精神を病んだ香坂の父親は映画館で神経ガスをまいた。「この世界は絶望に満ちている。もう、うんざりだ」「できる限りの人を“救う”つもりだ。向こうで待ってる」。香坂の父親は娘に電話でそう伝えて、犯行に及ぶ。香坂が駆けつけた時には、映画館は地獄だった。

 今回、ミハンシステムが予測したのは、無差別殺傷事件の犯人の妹・佐藤奈々(木竜麻生)を巡る事件。同じ境遇にある香坂は、前のめりになって捜査に参加。井沢と香坂という初のバディが誕生した瞬間でもある。

 佐藤の「私だけ助かっていました」という加害者家族としての言葉に、俯いて「ごめんなさい」とつぶやく香坂。その佐藤を食い物にする山中崇(梶智明)に、香坂の怒りのビンタが何度も炸裂する。それでも怒りが収まらない香坂は、拳を握り山中に振り下ろす。その鉄拳は、鈍い音とともに井沢の背中へ。バディであること、チームであることを思い出させる行動であると同時に、第1話で井沢の銃弾を身を以て受け止めた山内の姿を重ねる場面でもある。

 井沢や山内、小田切のアクションをも上回るほどの殺陣を披露している香坂を演じる水野美紀は、現在朝ドラ『スカーレット』(NHK総合)にも、主人公・喜美子(戸田恵梨香)の良き理解者である、ちや子役として出演中。ちょうど今週の「涙のち晴れ」には久々に、ちや子が登場し、週に2作品、水野が出演することになる。大雑把でいて、自分のやりたい道に進んだ笑顔の似合うちや子と、無愛想でミステリアスな香坂は大違い。水野と言えば、『奪い愛、夏』(AbemaTV)での怪演も話題になったが、キャラの大きく異なる役をコンスタントに演じ、どんな色にも染まることのできるという印象が強い。

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