『風の電話』インタビュー

モトーラ世理奈×諏訪敦彦監督が振り返る、『風の電話』撮影で出会った“震災後の日本の家族”

モトーラ「練習しても本番でそう思うかわからない」

ーー最後の風の電話のシーンについてもお伺いします。電話で何を言うかは、台本は作ってありながらも、最後はモトーラさんに任せていたそうですね。

諏訪:セリフを決めるつもりは最初からありませんでした。撮影が始まった時は、3週間後に僕たちがどういう状況になっているのかわからない。映画って進んでみないとわからない、予測できないものなんですよね。だから、もう風の電話に辿りつけばいいと。モトーラさんには事前に、「考えてみてごらん、メモしてみてもいいから」という話をしました。でも、その通り喋ったわけでもなかったよね?

モトーラ:そうですね。

諏訪:本番の時に初めて風の電話のボックスの中に入ったので、そこで彼女の中に起こることはあるだろうと。それが撮れれば、どういうセリフでもいいのではないかと思いました。

モトーラ:事前に紙に書いたり、滞在先のホテルで想像してみたりもしましたが、やっぱり練習しても本番でそう思うかわからないし、実際に電話ボックスに入らないとどんな気持ちになるかわからないなと思いました。ものすごく緊張して不安でしたが、電話をとった時に自分から出てくる言葉で話そうと。話していくうちにいろんな感情が出てきて、電話を切りたくなくなってきました。

諏訪:ずっと喋っていたかった?

モトーラ:はい。

諏訪:セリフが決まっていないって、やっぱりすごく不安で怖い、勇気のいることですよね。「これを言えばいい」というものがあれば安心できるじゃないですか。でもそこで任せようと思えた。僕があらかじめ用意した言葉を話していたら、ああいうシーンにはならずにこの作品は違う映画になっていたと思います。本当にモトーラさんは素晴らしかった。

ーー確かに、風の電話のシーンは景色の美しさも含めて、とてもマジカルな瞬間だと感じました。

諏訪:神がかっていましたよね(笑)。風が吹いて雲が流れて木々が揺れてる。映画ってああいう時があるんですよね、神が降りる瞬間が。あれには自分でもびっくりしましたね。

■公開情報
『風の電話』
全国公開中
監督:諏訪敦彦
出演:モトーラ世理奈、西島秀俊、三浦友和、西田敏行
配給:ブロードメディア・スタジオ
(c)2020 映画「風の電話」製作委員会
公式サイト:http://kazenodenwa.com/

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