野沢雅子、『ドラゴンボール』孫悟空と歩んだ30年 「世界中の人に元気を届け続ける」

野沢雅子、悟空と歩んだ30年

 「世界中の人が悟空を好きになってくれたら」

『劇場版 ドラゴンボールZ 燃えつきろ!!熱戦・烈戦・超激戦』/(c)東映・集英社・東映アニメーション (c)バードスタジオ/集英社・東映アニメーション

ーーそして、1月10日より東映チャンネルにて「劇場版 ドラゴンボール ブロリースペシャル」の特集放送がスタートします。ブロリーが初めてスクリーンに登場したのは1993年『劇場版 ドラゴンボールZ 燃えつきろ!!熱戦・烈戦・超激戦』。2018年に『ドラゴンボール超 ブロリー』に25年ぶりに復活したキャラクターですが、ブロリーの存在は覚えていましたか。

野沢:悟空としてたくさんの敵と戦ってきたから昔の敵のことは忘れちゃうんです(笑)。でも、この姿を観て「ああー、あのブロリーか!」とすぐに思い出しました。ブロリーがすごく強い敵だとは分かっているんですが、私自身も悟空になっているので、「また来ても絶対やっつけてやるからな!」と思っていました。

ーー野沢さんはブロリーはどんなキャラクターだと感じていますか。

野沢:今回の映画ではブロリーの悲しい出自が描かれているように、根っからの悪人ではないんです。辺境の星で父親と二人っきりの暮らしだったから、あんな性格になっちゃって……。そう思うと、悟空は幼少期に地球に飛ばされたのが本当にラッキーですよね。悟空は人との出会いに本当に恵まれているんです。

『ドラゴンボール超 ブロリー』

ーー最新作ではブロリー役の島田敏さんもさすがの迫力でした。

野沢:収録しているときは敏ちゃんもブロリーとして敵になっているので、目も合わせませんでした。収録が終わった後、叫びすぎて敏ちゃんはもうフラフラになっちゃっていて。敏ちゃんから「マコさん(野沢雅子の愛称)は大丈夫ですか」と言われて、「私はなんでもないよ」と答えたら「地球人じゃない!」って言われました(笑)。

ーー『ドラゴンボール超 ブロリー』はドラマシーンも濃厚ですが、それ以上にバトルシーンがすごい迫力でした。

野沢:ずっと戦っているでしょう。だから、収録後に「私、叫び声以外の台詞喋った?」ってスタッフさんに聞いたぐらいで(笑)。

『ドラゴンボール超 ブロリー』

ーー悟空はベジータとフュージョン(融合)してゴジータとなり、ブロリーと戦います。ゴジータのときはベジータ役の堀川りょうさんと同時に喋る形になっていますが、収録はどんな形で?

野沢:りょうが絵を観て喋って、私はりょうの口を観て喋るんです。そうすると自然と声が合うんです。「せーの」みたいな合図もまったくありません。りょうが絵を観て合わせてくれているので、私がりょうにさえ合わせればバッチリってことだから。タイミングをどうすればいいかと考えるというよりは、身体が自然に合っている感じです。

ーーベジータを演じる堀川さんとの相性も抜群だと。

野沢:そうですね。ただ、りょうに限らず、『ドラゴンボール』声優の皆とは仲間であり、親子・兄弟のような関係を築いています。収録が終わった後に毎回飲み会があるのですが、お酒の席だと皆もリラックしてなんでも言い合えるので、そこで意見交換したものが作品にもいい形で反映できていたと思います。

ーー『ドラゴンボール超 ブロリー』は日本では興行収入40億円超え、全世界90カ国で公開され世界興行収入も1億ドルを超えました。世界中に『ドラゴンボール』の輪が広がり続けています。

野沢:すごくうれしいです。『ドラゴンボール』は世界中の人に観てほしいんです。作品を観て、みんなが悟空のことを好きになって、みんなが悟空のようになりたいと思ってくれたら、きっと世界は平和になるはずですから。

ーー『ドラゴンボール』が愛され続ける理由はどんな点にあると考えていますか。

野沢:誰もが悟空のようになりたいと思っているからではないでしょうか。自分ができないことを、言えないことを代わりに悟空が代弁してくれる。どの時代、どの世代にも悟空は求められる存在なんだと思います。

ーーそんな悟空を演じるプレッシャーはないのでしょうか。

野沢:私は“演技をしている”とは思っていないので、プレッシャーはまったくないです。みんなが悟空を好きになってくれてうれしいだけです。『ドラゴンボール』が続く限り、世界中の人に元気を届けることができればと思います。

■放送情報
「劇場版 ドラゴンボール ブロリースペシャル」
『ドラゴンボール超 ブロリー』(2018年)
『劇場版 ドラゴンボールZ 燃えつきろ!!熱戦・烈戦・超激戦』(1993年)
『劇場版 ドラゴンボールZ 危険なふたり!超戦士はねむれない』(1994年)
『劇場版 ドラゴンボールZ 超戦士撃破!!勝つのはオレだ』(1994年)
1月12日(日)17:30-23:00 4作品一挙放送

『ドラゴンボール超 ブロリー』
原作・脚本・キャラクターデザイン:鳥山明
声の出演:野沢雅子、堀川りょう、中尾隆聖、島田敏、久川綾、古川登志夫、草尾毅、山寺宏一ほか
監督:長峯達也
(c)バードスタジオ/集英社 (c)「2018 ドラゴンボール超」製作委員会
特集ページ:https://www.toeich.jp/feature/detail/broly01

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