『スター・ウォーズ』全作に出演した唯一のキャスト アンソニー・ダニエルズとC-3POの42年

「C-3POはこれからも世界の守護者」

ーー『スター・ウォーズ』全9作品に参加してきて、もっとも印象に残っている瞬間はいつですか?

ダニエルズ:一番最初に撮影現場でC-3POのスーツを着て、皆さんの前に立った時ですね。C-3POの目の穴から、スタッフ・キャストの感嘆の表情が見えたんです。それは、私自身ではなく、スーツに対しての感嘆だったと思うのですが、私に対する尊敬の眼差しも感じられて、私自身もすごくいい気分でした。ただ、それは1分ぐらいしか続きませんでした。そのまま現場に向かって歩いて行ったら、スーツが壊れてしまったんです。そこからは下り坂でしたね(笑)。1日目、2日目ぐらいまでは、みんな「なんて美しいんだ!」と言ってくれたのですが、3日目からはただのオブジェクトになってしまいました(笑)。

ーー(笑)。42年間もC-3POを演じられてきたわけですが、途中で辞めたくなったことはありませんでしたか?

ダニエルズ:まさに『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』の初日の撮影が終わった時ですね。すごく後悔しました。思ったよりもずっと大変だったので、なんて仕事を受けてしまったんだと(笑)。でも、契約書にもサインをしていましたし、私も途中で仕事を投げ出すようなことはしません。プロだから、続けたわけです。でも、やっていくうちに、だんだんよくなっていくんですよ。今思い返してみても、「この長い間よくやり遂げたな」と、自分の忍耐力を誇りに思っています。私自身はC-3POの知的財産権を持っているわけではありませんが、C-3POはこれからも世界の守護者だと思います。

(取材・文・写真=宮川翔)

■公開情報
『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』
全国公開中
監督・脚本:J・J・エイブラムス
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
(c)2019 ILM and Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.
公式サイト:https://starwars.disney.co.jp/movie/skywalker.html

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