松本穂香、銭湯でのカネコアヤノの生演奏に「泣きそう」と感激

松本穂香、カネコアヤノ生演奏に感無量

 松本穂香主演映画『わたしは光をにぎっている』のスペシャルトークイベントが10月31日に小杉湯にて開催され、主演の松本、本作の主題歌「光のほうへ」を担当したカネコアヤノ、中川龍太郎監督が登壇した。

 本作は、第39回モスクワ国際映画祭で国際映画批評家連盟賞を受賞した『四月の永い夢』を手がけた中川龍太郎監督の最新作。両親を早くに亡くした20歳の宮川澪が、長野・野尻湖のほとりから父の親友であった京介を頼って上京し、彼が1人で経営する銭湯の仕事を手伝うようになる。銭湯にたむろする常連客たちと次第に親密になっていき、東京での日々が少しずつ楽しくなっていく。しかし、銭湯が近いうちに閉店する運命にあることを知った澪は、ある決断をする。

 松本は「自分が出ている作品なのに、こんな風に泣いたのは初めてのことでした。この映画に出会えてよかったです」とコメントを寄せ、中川監督は本作について「翔べない時代の魔女の宅急便」と語っている。

 この日が初対面となる松本とカネコ。松本は「日常的に楽曲を聴かせてもらっているので、ドキドキします」と嬉しそうで、カネコも「やっと会えたという感じです。そして……可愛い」と相思相愛の様子を見せた。中川監督はカネコとの出会いについて「初めてライブで楽曲を聴いて、圧倒的にやられました。ぜひ映画の主題歌を歌ってほしいと思った。その時に挨拶すればいいものを、あまりにもクラッたので、その時は挨拶できませんでした」と語った。

 また、中川監督は共通の友人を通して飲み会の席でカネコと念願の対面を果たしたそうだが、その様子についてカネコは「挨拶もそこそこに『映画を作っているので、その主題歌を書いてほしい』と言われて……。『え? まず誰?』と思った」と笑いつつ、「でもその勢いが面白すぎてやりますよと」と出会いを振り返った。

 完成した本編を鑑賞し、楽曲を書き下ろしたカネコは「明るい歌がいいと言われたので、ポップソングを作ろうと思った。未来に向かっていくような曲にしようと思ったけれど、映画を観たらすぐに言葉が降りてきました」と制作秘話を回想。中川監督は楽曲について「ラストは松本さん演じる澪の未来を暗示するような音楽にしたいと思った」と狙いを明かし、松本は「ラストカットにあの歌が流れてくる瞬間が大好き。歌もひっくるめて完結という中川監督の意図もわかるし、澪の未来が見えてくるようだった」とすっかりお気に入りだった様子。

 映画についてカネコは「最後のラストシーンも好きだし、お風呂のお湯をすくうシーンも差し込む光が綺麗で、画が綺麗という印象を受けました。始まりも凄くカッコいい」とヴィジュアル面を絶賛。その銭湯シーンの撮影について松本は「演出のときに中川監督は『お湯をいつくしむように』とか抽象的な表現を沢山された」と回想して会場の笑いを誘った。

 また、カネコが日常の機微を歌っていることから、「生活の工夫」という話題になると、松本は「演じる役によって変わってきますが、何かをはじめたり、何かを辞めたり、試行錯誤をしながら、役によって工夫することはあります」と紹介。主人公・澪を演じる上では「逆に何もしませんでした。今回は自分に圧をかけないで、いつものままでいようと思った」と自然体を意識したようだった。

 カネコは楽曲を作る上で「ストレスがあってもなくても作れない。ある程度苦しい時の方が楽曲を作れる気がする。ある程度自分の中で蓄積しないと、いいものは生まれない。生み出すとスッキリするので、出産に近いかもしれません。そういう意味で『光の方へ』は安産でした」と打ち明けた。

 そんなカネコが、この日は「光の方へ」を特別にギターで弾き語りで演奏。銭湯ならではの響きの中でのカネコの歌唱を聞いた松本は「素晴らしかったです! 泣きそうで、本当に最高です。明るい歌なのに寄り添ってくれる感じがある」と涙を浮かべ、中川監督も「松本さんがウルっとしていたので、僕も目が合うとヤバいと思った。本当に最高で素晴らしい。明るいのに泣けてくる」と感激。二人の感動ぶりにカネコは「寄り添っている、と言われて嬉しい。私も歌う中でそうありたいと思っているので」と嬉しそうだった。

 最後に松本は「映画を最初から最後まで観ていただき、エンドロールで流れる歌声を聴いてほしい。楽曲が流れてくる瞬間は、表現できない程に大好きで素晴らしい瞬間。みなさんにも劇場でそれを体感してほしい」と思いを込めた。

■公開情報
『わたしは光をにぎっている』
11月15日(金)新宿武蔵野館ほか全国ロードショー
監督:中川龍太郎
脚本:末木はるみ、中川龍太郎、佐近圭太郎
脚本協力:、石井将、角屋拓海
出演:松本穂香、渡辺大知、徳永えり、吉村界人、光石研、樫山文枝
配給:ファントム・フィルム
(c)2019 WIT STUDIO/Tokyo New Cinema
公式サイト:phantom-film.com/watashi_hikari/

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