福士蒼汰の運命の切なさを駆り立てる 『4分間のマリーゴールド』が描くリアルな人間模様

 福士蒼汰が主演を務める金曜ドラマ『4分間のマリーゴールド』(TBS系)が今夜からスタートする。キリエの同名漫画を原作に、人の“死の運命”が視えてしまう主人公と、余命1年の義姉による禁断の恋を描く、切ないラブストーリー。特別試写会にて第1話を鑑賞した筆者が、その見どころを紹介していきたい。

 救急救命士・花巻みこと(福士蒼汰)は、父の再婚により兄弟となった義兄・廉(桐谷健太)、義姉・沙羅(菜々緒)、義弟・藍(横浜流星)と仲良く暮らしていた。手を重ねることで“死の運命”が視える特殊能力を持つみことは、患者の最期を変えようと尽力するも、運命は必ず現実になってしまう。助けたいのに助けられないジレンマを抱えながら、日々救急救命に全力を尽くすみことだが、誰にも言えない思いを抱えていた。それは、義姉を愛してしまったこと。そして彼女が1年後、この世を去る運命を視てしまったことである。

福士は“手”、菜々緒は“ギャップ”で魅せる

 何より印象的だったのは福士の“手”。綺麗な手指についつい見惚れてしまうのだが、ここで言いたいのは、単に見た目の美しさだけではない。みことは、手を重ねることで相手の“死の運命”が視えてしまう。そのため、意を決して伸ばす手指の1本1本から、ためらい、恐怖心、使命感……といった、様々な感情が伝わってくるのだ。

 義姉に向ける子犬のようにあどけない表情や、どうにもならない現実に苦悩する心の動き。さらには自身初となる救急救命士姿と共に、是非とも“手”で魅了する福士の表現力に注目してほしい。

 一方、今作で初めて恋愛ドラマのヒロインに抜擢された菜々緒は、これまでの“強くてクール”というイメージとのギャップが見事。画面に映るのは、あまりにナチュラルでおおらかな“お姉さん”。その可憐さはため息が出るほどで、たとえ姉弟であっても、いや姉弟だからこそ、みことが惹かれてしまうのも頷ける。

 そんな沙羅は、地元のカルチャースクールで絵画教室などを開く画家でもある。絵画監修は、いま話題の画家・中島健太氏が務めており、今後、沙羅の絵画が作品にとってどんなスパイスとなっていくのか期待したい。

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