ユースケ・サンタマリア×指原莉乃×山里亮太が語り合う、『ONE PIECE STAMPEDE』参加への思い
「監督の熱量の高さに圧倒された」
山里:大塚(隆史)監督はすごく熱量の高い方で、収録の日までどのように過ごせばいいかを細かく指示したメモをいただいたんです。それを守って過ごしました。それを読んでると、本当にすごいことに参加するんだなと、さらにプレッシャーを感じました。
ーーそのメモには、具体的にどんなことが書かれていたのですか?
山里:収録の前日はこうしてくださいとか、喉を大切にする方法や普段からあまり大きな声を出すのは避けてほしいとかですね。それから練習方法なども記載してありました。それと、何パターンか芝居を見たいので、自分で思い描く声の出し方を何個か作っておいてくださいなどたくさんのことが書かれていました。
ユースケ:要は、きっちり完璧に仕上げてこいってことです(笑)。
指原:もちろん、プロの声優さんと同じスキルはないですけど、すごい方たちと同じ場所に立たないといけないですから、やっぱり相応の準備が必要なんだなと思いましたね。
山里:映画を観に来るお客さんには、僕らのスキルとか関係ないですからね。
ユースケ:僕らは声優ではなく、今まで全然違う世界で活動してきたわけですからね。声だけで表現するのは本当に難しいことで、今回自分で声の芝居をやってみて、プロの声優のすごさというのは改めて感じました。でも、だからといって、プレッシャーばかりで縮こまっているわけにもいかないし、それに、僕らは僕らなりの活動を長い年数やってきた自負もある。それを出し切れば、この一回だけなら同じ土俵に立てるんじゃないか、そういう思いで自分の持てるものを出し切りました。
ーーアフレコ当日には監督から具体的にどんな指示がありましたか?
山里:まず、「一度フルテンションでやってください」と言われたので、思いっきりテンション上げてやったんです。そうしたら、「それがスタートラインです」と言われました(笑)。そこからさらに上げていきましょうと。
ユースケ:大塚監督は3人それぞれ異なったアプローチをしていると思いますよ。山ちゃんの役は司会者だから、テンション上げてドーンと行かせたと思うんだけど、さっしーはなんて言われた?
指原:私も、「もっと大きな声で」とはよく言われましたね。ステージにはたくさん立ってきたし、声を遠くに飛ばすのは得意なつもりだったんですけど、よく考えたらルフィたちは海で戦っているから、屋内で声を飛ばすのとはわけが違うんですよね。もっと遠くを想像しなきゃいけないんだって気がつきました。
山里:声の芝居だけで距離感を表現するのはすごく難しかったです。それをボリュームの強弱だけじゃなく、いろんなかたちで表現できるプロの声優さんはやっぱりすごいですよ。
ユースケ:僕は2人の役と違って、もうちょっと落ち着いたトーンでいきましょうって言われましたけどね(笑)。僕の役はモニターを見ながらボソボソとしゃべってる奴なんです。でも、ボソボソとしゃべったら駄目なんですよね。狂気に取り憑かれた男なんで。すぐ近くの人に喋っている設定なのに、最初はすごい声張ってた(笑)。確かに距離感を掴むのは難しかったね。
指原:あとアドリブの箇所が難しくなかったですか?
山里:難しかった。悲鳴とかね。
指原:台本の「…」のところや「ハッと息を飲む」シーンとか、ちいさい「っ!」などはアドリブでお願いしますと言われて、どうやればいいか悩みました。