広瀬すずが抱える子育てへのジレンマ 『なつぞら』父・内村光良からの助言も

 そんな優も成長し、4歳になる。保育園に通えるようになり、一緒に絵を描いて過ごすなど成長している様子を見せた。なつの職場のデスクにはいつも優のイラストが貼ってあり、成長と共に書き換えられていた。なつにとって“家族の絵”はとても大切なものだ。成長を見守り、描けることの喜びを噛み締めながら仕事に奮闘した。しかしある日、優がなつの仕事用の絵に、勝手に絵を書き足してしまう。

 第129話はここで放送が終わる。ナレーションで父(内村光良)は「なつよ、怒るな、怒らないでやってくれ」と言い、優をかばう姿勢を見せた。なつは苦悶の表情を浮かべる。母になる以上、自分の想像をはるかに超えた出来事は起こりうる。子供に悪気がない場合も多い。優の成長と共に、なつの悩みも、優の側にいれず犠牲にしてきたという罪悪感から、優とどう関わり合っていくかに変化していく。優の年齢に合わせてなつの悩みにも変化が訪れるだろう。

■Nana Numoto
日本大学芸術学部映画学科卒。映画・ファッション系ライター。映像の美術等も手がける。批評同人誌『ヱクリヲ』などに寄稿。Twitter

■放送情報
連続テレビ小説『なつぞら』
4月1日(月)〜全156回
作:大森寿美男
語り:内村光良
出演:広瀬すず、岡田将生、中川大志、渡辺麻友、橋本さとし、田村健太郎、坂口涼太郎、鈴木健一、増田光桜、宝辺花帆美、貫地谷しほりほか
制作統括:磯智明、福岡利武
演出:木村隆文、田中正、渡辺哲也ほか
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/natsuzora/

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