『あなたの番です』西野七瀬が“黒幕”の可能性はあるのか!? 第1章での怪しい言動を振り返る

 まず、黒島の最大の謎として挙げられるのが、第4話を機に人が変わったように入れ替わった彼女の性格だ。ドラマの公式ウェブサイトの黒島の設定には「理系の女子大生。大人しい。いつも体のどこかをケガしている。」とあり、第3話までは左鎖骨下に貼られた湿布、右手の包帯、右肩の痣、左目の眼帯と多くの怪我に菜奈を始めとした住人が気づいている。唯一、黒島が不在となる臨時の住民会では浮田(田中要次)から“SM女子大生”と性癖を疑われるほどだ。しかし、第4話から黒島の怪我はすっかり完治しており、今までほとんど喋ることもなかった住民会で急に会話に参加するようになる。浮田もこの時「今日はよく喋るな」とツッコミを入れ、黒島が「えっ?」と驚きを隠せない表情を見せるが、その後は怪我にも性格の変化にも触れられずに現在まで至っている。

 また、第5話にて黒島は明らかに不可解な発言をしている。先述した住民会で“SM女子大生”の話題になり、真面目過ぎる田宮(生瀬勝久)が「ここはそんな不健全な話をする場所じゃない!」と机を叩き怪我をする場面がある。第5話で黒島はそのことに、「以前、机叩いて怪我した方もいらっしゃいますし」と触れるが、その住民会に黒島は出席していないのだ。田宮と黒島の会話の中には違和感を覚えるものが多くあり、第5話の定例会で交換殺人ゲームについて警察に話をするか意見を聞きたいと切り出す黒島に、田宮は訝しげな表情を浮かべ、黒島は「あの……?」と取り繕う。ほかにも、交換殺人ゲームにおける「書いた紙、引いた紙発表会」と題した臨時住民会で、黒島は「お願いします。田宮さんが言えば皆さんも……」と執拗に迫っており、「電車の席を譲らない人」という紙にも「それ、田宮さんっぽいですね」と反応を見せている。さらに言えば、田宮と黒島がエレベーターホールで久住(袴田吉彦)に関する情報を話す場面など、何かとこの2人は接触が多く、田宮が設置した防犯カメラに収められた映像もいまだ明らかになっていない。

 第1話初登場シーンで黒島と手を繋いでいた彼氏らしき人物がそれっきり姿を見せていないことも、伏線の一つである。『あなたの番です』のオープニングでは、住民の菜奈、翔太、田宮、黒島、早苗、佐野豪(安藤政信)、床島比呂志(竹中直人)の7人に赤丸がついていたが、第10話で早苗の赤丸が外れたことも話題になっている。最終回では早苗が捕まり、Huluのオリジナルストーリー『扉の向こう』で402号室が解放されたことから、赤丸が物語における大きな謎を残す人物を示しているという見方もできる。

 第2章の反撃編からは、翔太と共に協力をしながら犯人を追い詰めていく、黒島と同じ大学の大学院生・二階堂忍(横浜流星)が登場する。AIを研究している頭脳明晰な男で、交換ゲームの全貌を暴く大きな力となる役柄だ。そこに引き続き黒島も参加していくこととなるが、翔太の信頼する黒島から、化けの皮が徐々に剥がれていくのか。第2章における重要な役柄であることは確実だ。

■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter

■放送情報
日曜ドラマ『あなたの番です-反撃編-』
日本テレビ系にて、6月30日(日)22:30〜放送スタート
※特別編は6月23日(日)23:00〜23:55放送
企画・原案:秋元康
出演:田中圭、原田知世、西野七瀬、横浜流星、田中哲司、木村多江、生瀬勝久
脚本:福原充則
演出:佐久間紀佳ほか
チーフプロデューサー:池田健司
プロデューサー:鈴間広枝、松山雅則
制作協力 :トータルメディアコミュニケーション
製作著作 :日本テレビ
(c)日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/anaban/

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