今日の広瀬すずは「半分、青い。」 『なつぞら』川島明がスケッチするファッションの重要性
優しい笑顔でなつの悩みを聞こうとする下山に対し、なつは他の人の身に起きたこととして千遥のことを語りだす。戦後の混乱期に家出した少女のことを警察に届けていた場合、その安否について、ちゃんと知らせが来るものだろうかというものだ。元警察官の下山は、自身の身の周りにかつてあった、とある少女をめぐる話を語りだす。「奇跡」の存在を疑っていたなつだが、「奇跡みたいなもんは案外、人間が当たり前のことをする勇気みたいなものだ」という下山の言葉に背中を押される。
さて、そんななつのもとへ、麻子とともに仲(井浦新)から呼び出しがかかる。なつと麻子、どうやら二人の絵を合わせるかたちで仲が描いてみたらしい。なつはその絵を見て、北海道の母を思い浮かべて描いたこと、そして子どもの目線ばかりになろうとしていたことを反省する。しかし麻子は麻子で、生い立ちだとか理屈ばかりを考えていたことを反省する。感情と理屈、どちらも大切なのである。なつは検討会での麻子に対する振る舞いを謝るが、麻子は「口に出したことは仕事で責任を取るしかない」と言って聞かせる。そうなのだ、今はただただ、アニメーターとしての一歩一歩を力強く踏み出していくしかないのだ。
■折田侑駿
映画ライター。1990年生まれ。オムニバス長編映画『スクラップスクラッパー』などに役者として出演。最も好きな監督は、増村保造。Twitter
■放送情報
連続テレビ小説『なつぞら』
4月1日(月)〜全156回
作:大森寿美男
語り:内村光良
出演:広瀬すず、松嶋菜々子、藤木直人/岡田将生、吉沢亮/安田顕、音尾琢真/小林綾子、高畑淳子、草刈正雄ほか
制作統括:磯智明、福岡利武
演出:木村隆文、田中正、渡辺哲也ほか
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/natsuzora/