躍進続く長澤まさみの女優人生 『キングダム』『コンフィデンスマンJP』で引き出しの多さを見せる

長澤の懐の深さをあらわす“ダー子”


 作品ごとに違った魅力を提示する長澤。『コンフィデンスマンJP』では、前述したように、背景がまったく描かれないなか、とにかくハイテンションで“オサカナ”と呼ぶターゲットを騙し、大金をせしめる天才詐欺師ダー子を痛快に演じている。

 脚本を務める古沢良太は、ダー子というキャラクターを「あてがき」と話していたが、長澤は「古沢さんは私のなかにある“意外にお調子者”な部分を見抜いていたんだと感じました」(クランクインより)と、自らの性格を投影している部分もあることを述懐している。デビューから19年という歳月を経過しているが、まだまだ引き出しはいっぱいあるのだという長澤の懐の深さをあらわすエピソードだ。

 この言葉通り、劇場版でもダー子は“お調子者”ぶりを発揮しつつ「ロマンス篇」と銘打たれているだけあり、しっとりとした“魅せる”演技も披露している。ダー子の相棒として活躍するリチャード役の小日向文世は「もう代表作と言ってもいいと思う」(映画.comより)と長澤の演技を絶賛する。

 作品ごとに“進化”を続ける長澤。インタビューやイベントでも「もっと続けていきたい」と語ったダー子。まだまだ伸び代は多そうなキャラクターだけに、シリーズ化を期待するファンは多いだろう。

■磯部正和
雑誌の編集、スポーツ紙を経て映画ライターに。基本的に洋画が好きだが、仕事の関係で、近年は邦画を中心に鑑賞。本当は音楽が一番好き。不世出のギタリスト、ランディ・ローズとの出会いがこの仕事に就いたきっかけ。

■公開情報
『コンフィデンスマンJP』
全国公開中
監督:田中亮
脚本:古沢良太
出演:長澤まさみ、東出昌大、小手伸也、小日向文世、織田梨沙、瀧川英次、Michael Keida 、前田敦子、佐津川愛美、岡田義徳、桜井ユキ、生瀬勝久、山口紗弥加、小池徹平、佐藤隆太、吉瀬美智子、石黒賢、竹内結子、三浦春馬、江口洋介
音楽:fox capture plan
主題歌:Official髭男dism「Pretender」
配給:東宝
製作:フジテレビ・東宝・FNS27社 
(c)2019「コンフィデンスマンJP」製作委員会
公式サイト:http://confidenceman-movie.com
公式Twitter:https://twitter.com/confidencemanJP

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