躍進続く長澤まさみの女優人生 『キングダム』『コンフィデンスマンJP』で引き出しの多さを見せる

 公開初週(5月18日から19日)の全国映画動員ランキングで首位を獲得した映画『コンフィデンスマンJP』で女性信用詐欺師ダー子を演じる女優の長澤まさみ。2018年4月クールに連続ドラマとして放送されて以来、ダー子の背景はほぼ描かれていないにも関わらず、長澤の弾けた演技は多くの人の印象に残り、イベントではアイドルさながら「ダー子ラブ」といったプレートが散見できるなど、人気キャラクターとなった。近年さまざまな役柄に挑み、ダー子のような特異なキャラクターをものにするなど、目覚ましい活躍を遂げる長澤のキャリアを振り返ってみたい。

小6でグランプリ受賞、女優業には「危機感を持って」

 東宝が主催する「第5回東宝シンデレラオーディション」で、当時小学校6年生ながらグランプリを獲得した長澤。2000年に映画『クロスファイア』でスクリーンデビューを果たすと、2003年公開の『ロボコン』で初主演、日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞する。その後も、映画・ドラマでキャリアを重ねてきたが、その名を大きく知らしめたのは、2004年公開の映画『世界の中心で、愛をさけぶ』だろう。

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 本作で、白血病におかされる高校生・広瀬亜紀を演じ、その瑞々しい演技は多くの反響を呼び、第28回日本アカデミー賞最優秀助演女優賞を受賞した。17歳での受賞は、史上最年少という快挙だった。翌2005年からは、『タッチ』、『ラフ ROUGH』、『涙そうそう』、『そのときは彼によろしく』など主演映画が相次いだ。

 しかし長澤自身は以前筆者が行ったインタビューで「私は『東宝シンデレラ』オーディションでデビューしているのですが、大きな会社ですし、安定しているというイメージもある。ただ若いころから得をしている人間だと思ったら負けだと思い、努力しないといけないという気持ちはずっと持っていました」と語っているように、常に危機感を持って女優業へ取り組んでいた。

 こうした長澤の発言のとおり、作品が続くなか、自身の持つ清潔感のあるポテンシャルを活かしつつも、貪欲にいろいろな役にチャレンジした。2011年公開の映画『モテキ』では、雑誌編集者のサブカル系女子・松尾みゆきを演じ、森山未來演じる幸世を手玉に取る小悪魔ぶりを発揮。仕事に向き合う姿勢など、これまでの“ピュア”というイメージを残しつつも、相手を振りまわす女性を好演。男性ばかりではなく、女性からも、嫌味のない可愛らしさは賞賛された。

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