『きのう何食べた?』“ジルベール”磯村勇斗の初登場に期待高まる 原作ファン納得の絶妙な配役

 4月26日に西島秀俊と内野聖陽がW主演するドラマ『きのう何食べた?』(テレビ東京系)の第4話が放送になる。漫画誌『モーニング』(講談社)で連載中の人気コミックをドラマ化した本作。ドラマの公式サイトに掲載されている原作者、よしながふみのコメントには「『実写なんだし、何もこんなに似せなくても……』と思うぐらい、そっくりです! 本当にびっくりしました!」とあるが、まさにキャスティングの妙、再現度の高さが大きな反響を呼んでいる。

 とくに、第3話で山本耕史が小日向大策役で登場した直後には、SNS上にその演技力に対する絶賛コメントが殺到。キャストが発表になった際、原作をイメージしやすい俳優陣の中で山本の風貌は小日向大策に似ていないのでは? という声もあったが、逆に演技の巧みさとギャップの面白さが際立ち、原作ファンの心をも掴む見せ場を作った。

 山本耕史といえば数多くの舞台やミュージカルに出演し、安定感のある演技で高い評価を得ている。今回の小日向大策役はイメージを覆すようなインパクトがあり、恋人に見せる小犬のような表情とのギャップの面白さもあって、新境地を開いたのでは? というほどハマっている。時代劇で見せる眼光の鋭さとはまた違う、不思議な目力でシロさん(西島秀俊)を圧倒していたのだ。

 時代劇といえば、NHK大河ドラマ『真田丸』で山本耕史が演じた石田三成が強く印象に残っている。同じく大河ドラマ『新選組!』の土方歳三役に至っては「土方歳三の最期も描いてほしい」という視聴者からの要望があり、続編が製作されるほどだった。さらに、続編が製作されるだけでなく、連続テレビ小説『あさが来た』で山本耕史は『新選組!』と同じ衣装で土方歳三を演じた。役を自分のものにするだけでなく、その役に愛される役者がいるとしたら、彼のような存在をいうのだろう。

 本作の主人公は、経済的で料理を作ることが好きな弁護士の筧史朗、通称シロさんと史朗の恋人で人当たりの良い美容師の矢吹賢二、通称ケンジ(内野聖陽)のカップルだ。彼らの愛があふれる日常と、おいしい食卓がもたらす幸せを見ているだけで共有できるのが人気の理由であり、同時に2人を取り巻く人々の人間模様も丁寧に描かれている。

 小日向大策の初登場シーンは、史朗が利用するスーパーでの激安食材シェア仲間の主婦・富永佳代子(田中美佐子)の家だった。キャベツ3個をシェアするため、佳代子の家の台所でコールスロー作りをしていたところへ、テニスに出かけていた佳代子の夫が、仲間を連れて帰宅。いきなり「ゲイ同士だから話合うでしょ」と史朗に紹介したのだった。

 初対面の史朗にせっかくだから「僕の悲しい話を聞いてもらえませんか?」と、一緒に暮らしている恋人の話を始めた小日向。「ビジュアルはジルベール(竹宮惠子による漫画作品『風と木の詩』)をイメージしてください」と言う彼の言葉に、史朗は金髪の美少年を妄想するしかない。小日向の恋人役で、小日向曰く“ジルベールみたいな美少年”の井上航役は磯村勇斗が演じるが、第3話では史朗の妄想バージョンのみ。磯村の登場は見送られた。

関連記事