高橋一生、歌手として見せるのは情熱な一面? エレカシ宮本浩次提供『東京独身男子』主題歌を考察

高橋一生、歌手として見せるのは情熱な一面?

 “あえて結婚しない男子(AK男子)”を主人公にした土曜ナイトドラマ『東京独身男子』(テレビ朝日系)。主題歌「きみに会いたい-Dance with you-」を歌うのは主演の高橋一生だ。楽曲提供とプロデュースは、かねてから高橋が敬愛するというエレファントカシマシの宮本浩次が担当している。

 東京スカパラダイスオーケストラとのコラボによるエレファントカシマシ「俺たちの明日」カバーなど、これまでにも高橋一生が歌声を披露する機会はあったが、ソロ名義でのオリジナル曲リリースは今回が初めて。やや低めのトーンながら、抑制を効かせすぎない熱量高めのボーカルで独身男子の胸の内を歌い上げている。

テレビ朝日土曜ナイトドラマ【東京独身男子】第3話/5月4日(土)よる11:15~放送

 子役時代から数多くのドラマ、映画、舞台に出演してきた高橋一生だが、意外にも音楽との接点は多い。公式プロフィールでは特技にギターを挙げており、キリン『氷結』のCMで東京スカパラダイスオーケストラ、浜野謙太とブルースハープで共演。坂元裕二の脚本によるドラマ『カルテット』(TBS系)で、椎名林檎の作詞作曲による主題歌「おとなの掟」を松たか子、満島ひかり、松田龍平とのドラマ限定ユニットDoughnuts Holeで披露したことは記憶に新しい。

 俳優としての自身のポリシーを「役作りをしない」ことと語る高橋一生(引用:高橋一生の存在感が高まっている理由 名バイプレイヤーの“役作りしない演技”から探る)。求められる役柄に応じてほどよく画面に自身を溶け込ませるその演技は、役者としての経験と感性に裏打ちされている。スポンテニアスなその所作は、ここぞという場面で絶妙な存在感を発揮する。

 『カルテット』第1話で共同生活をはじめた4人が最初に食事をするシーン。有名になった、唐揚げにレモンをかけるべきかに関する論争の口火を切るのは、高橋一生演じる家森諭高だった。登場人物のキャラクターとその後の展開が暗示されるイントロダクションで、なかばモノローグのような高橋のセリフが4人の会話のテンポを形づくる。あるいはドラマ『民王』(テレビ朝日系)での貝原茂平。ひょうひょうとした雰囲気を身にまといつつ、クールな切り返しと煙幕的な立ち回りで主役に迫る人気キャラとなった。

 準主演、あるいはバイプレイヤー的な立ち位置から、ときに作品全体のトーンを決定づけ、絶妙な間合いで共演者とのケミストリーを生み出す高橋一生の演技には、バンドアンサンブルにも通じる独特のリズムがあると言っていいだろう。

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