岡田惠和、『ひよっこ』シリーズ化に意欲 「2は“ずっと続けてみたい”というメッセージ」

岡田惠和が語る『ひよっこ2』制作秘話

「キャストを変えずに次へと紡いでいけたら」

ーー物語の中身はもともと『ひよっこ』の時にすでに浮かんでいたものなのでしょうか? 視聴者の反響なども参考にしていたりしますか?

岡田:もちろん人によっては、2年後に一体この人何してるんだろうね? というような人もいるんですけど、2年で人の暮らしはそんなに変わってないから、基本的にはみんなそれぞれ本編の中の位置からそんなに動いていません。本当ならそれぞれの住んでいる場所とか、例えば乙女寮のリーダーだった幸子ちゃん(小島藤子)は団地に住んでいるので、その団地での生活の様子とか、やりたいと思う場所はいっぱいありましたし、要望もすごくありました。けど、基本的には今のみんなが見れることで納得していただきたい。それと、ちょっと本編で積み残した部分をやれたのは嬉しかったです。

ーー実際に2を執筆している時には懐かしさを感じたりも?

岡田:懐かしさも感じましたし、当時はほとんど全員オーディションで出演していたヒロイン以外の若手たちが、放送後にみんな偉くなっているので(笑)。役者として育っているなと実感しましたし、親心な目線になってしまう部分はありました。みね子(有村架純)の妹と弟が大きくなって今回高校生と中学生になるので。ちよ子は恋をして進路で悩むんだとか、進が学生服着るんだ、と書いていて親戚みたいな気持ちでした。

ーー高ちゃん(佐藤仁美)のダイエットには……。

岡田:一番僕を苦しめました(笑)。一応言及しています、なかったことにはできませんし、りんご農家に嫁いでいるので「りんごダイエット」的な形で(笑)。でも、そのおかげで書いていて面白かったんです。当時はダイエットという感覚がまだなくて、日本人がまだ積極的にカロリーを摂取したい国民だったので、多分、りんごを食べたら痩せますと言ったら売れなかったんじゃないかな。60年代の終わりとか70年代の日本人は、もちろん少しは健康意識を持っていたんでしょうけど、まだやっぱり好きなものを食べていたんだなというのは、高ちゃんを通して勉強させていただきました。

ーー前作の『ひよっこ』が終わった時に、ここは是非続編で描きたいというエピソードは他にもありましたか?

岡田:本当は『ひよっこ』のスタート時には、みね子とヒデ(磯村勇斗)が独立して、荻窪に小さい洋食屋を開くという具体的なところまで考えていたんですけど、いつになってもそこまでは辿り着けませんでした。続編について話し合った時に、ヒデの仕事的に結婚して2年で独立はまだありえないから、そこで無理するのやめようと。仕事は変わっていないけど、夢は持っていて、そこに向かっていくように描けたらいいなとは思っていました。だから、パート2は、僕の中では『ひよっこ』をずっと続けてみたいんですというメッセージでもあります。『北の国から』(フジテレビ系)や『渡る世間は鬼ばかり』(TBS系)みたいなことがやりたいという気持ちがあるんです。そういう作品が持てたらすごく幸せなんじゃないかなと。ただそれには、みんながやりたいと思っていないといけない。パート3から旦那さんが違う人になってるとか嫌だし、キャストを変えずに次へと紡いでいけたらなと考えています。出てくれたキャストたちも本当に2を楽しんでくれたようで、すごく幸せなドラマだなと感じます。

ーー『ひよっこ2』は未来につなげていくための試金石でもあるんですね。

岡田:みね子とヒデは結婚してるから、次は子どもが生まれるのかな? と思うかもしれないけど、それはもうちょっと待ってください。あとは例えば、乙女寮の豊子と澄子が2人暮らししていて、そこもやがてどっちかが恋をするとどうなるんだろうとか、2をやったことで自分の中で将来楽しみだなと思うようなことが沢山ありました。

ーー全員に出演してもらう上で、苦労したところはありますか。

岡田:限られた時間でなんとかやっていただいたので、プロデューサーが一番苦労したんだろうと思います。逆にいうと、嫌だっていう人が1人もいなかったので、こんなにありがたいことはないです。ただ全員を話に絡めていくのはさすがに違和感があるので、参加のしていただき方みたいなことは工夫が必要でしたし、若手がみんな忙しくなっているというのもありましたけど、みんな頑張ってくれました。

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