『ひよっこ2』インタビュー
岡田惠和、『ひよっこ』シリーズ化に意欲 「2は“ずっと続けてみたい”というメッセージ」
有村架純主演がヒロインを務めるNHKの連続テレビ小説『ひよっこ』の2年越しの続編『ひよっこ2』が3月25日から4日間、夜に時間帯を移し放送される。
今回、全4話で描かれるストーリーも放送と同じ2年後が舞台となる。奥茨城村で暮らす谷田部家の人々、東京の赤坂にあるあかね坂の人々はこの2年の間にどんな変化があっただろうか? いろんな想像が膨らむだろう。実際に本作に出演した若手キャストたちは、放送後、映画やTVドラマや、CMにと引っ張りだこ。脚本家・岡田惠和に、彼らの活躍についての想い、そして「時々帰れるホームみたいになれたら」と語る『ひよっこ』のこれからについて語ってもらった。
「みんなが揃うことで、輪を生む」
ーー『ひよっこ』を脱稿した時も続編はやりたいと話していましたね。
岡田惠和(以下、岡田):僕だけが「やりたい!」と言って実現できるものではなくて、局の体制と出演者みんなの気持ちが揃わないと成立しないものなので、決まった時は嬉しかったです。もちろん作品によって続編を作るのが難しいタイプもあるんですけど、続編を作ることは好きですし、『ひよっこ』のように、ある種の日常系を描く作品は延々と続けられるタイプなので、2とは言わず……というようなつもりで僕自身としてはやっていきたいなと考えています。
ーー今回続編を描く上で一番テーマにしたものは?
岡田:続編やパート2の作品には新しいキャラが登場してかき乱したり、その間に激変していたりすることが多いけど、実際の人間の暮らしの2年って別に何も変わらないですよね。毎年送ってくれる年賀状の子どもの写真をみて、だんだん大きくなっていくなぁと感じる時のような近況報告を視聴者の方に届けられたらなと思いました。無理に変化を起こした続編で、よくわからない流れで物語を進めていくよりは、『ひよっこ』を好きでいてくれた方たちはあの変わらなさをもう1回見たいんじゃないかなと思ったので、それに応えたいなと。せっかく結婚したのにもう夫婦の仲が悪くなってるとか、誰かが亡くなっていたりとかも嫌じゃないですか。人間におけるごく普通の2年後を描くことは、逆に『ひよっこ』だからできると感じていました。2年なんて見た目の変化が大きいのは子どもぐらいですしね。
ーー『ひよっこ』の最終週にはほとんどの人が登場して幕を閉めましたが、2ではその時に見られなかった顔も見れて贅沢だなと感じました。
岡田:2の一番のテーマは全員出るということだったんです。全員と言ってももちろん限りはあるんですけど、基本はあの人どうしたんだろう? って思う人には何らかの形で出ていただこうと。2を制作するにあたって、もちろん僕やプロデューサーが動かなかったら実現はしなかったんですが、やっぱり役者さんたちの「やりたい!」「やるなら出たい!」「いつやるの?」といった空気が僕らの背中を押してくれたんです。あとは自分の役はどうかな? と思ってる人を、一緒に頑張った仲間としてがっかりさせたくないという気持ちもありました。やっぱりみんなが揃うことで、輪を生むんじゃないかなとも思っていて。本当にまたやれたらいいなと思ってるので、ちゃんと全員の足跡を紡いでいきたいなと考えながら書きました。