『バンブルビー』トラヴィス・ナイト監督が語る、アニメーターとしての経験が実写映画に活きたこと

「僕がやっていきたいのは、“ストーリーを語る”こと」

ーー本作はあなたにとって初の実写映画監督作となります。同じ監督でもアニメーションと実写映画では様々な違いがあると思うのですが、最も大きな違いは何でしょう?

ナイト:大きな違いで言えば、スピード感だね。『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』は完成させるまでに5年かかった。でも、実写はそういうわけにはいかなくて、とてもペースが早い。それがエネルギーにもなるし、プレッシャーにもなるわけなんだ。一方で、アニメーションと実写って、意外と共通する部分も多いんだ。特に今回は、主人公のバンブルビーがCGのキャラクターだったから、生命のないものに命を吹き込むという、今までやってきた経験がとても役に立ったよ。これまでの経験のおかげで、バンブルビーが本当に生きているような、感情のあるキャラクターに成立したと思うし、バンブルビーとチャーリーの関係もよりリアルになった。あと、アニメーターとしての経験が活きたこととして、忍耐力があるかな。例えば、この日のうちに集中して何かをやる、これはこの期間に全部やるというように、あらかじめきっちりと決めていたから、時間内に、しかも予算内で撮りきることができたよ。これは実写映画ではなかなかできないことじゃないかな(笑)。

ーー確かにそうかもしれませんね(笑)。今後はアニメーションと実写の両方をやっていくんですか?

ナイト:『バンブルビー』が高い評価もしてもらえたのはすごく嬉しいことだし、今回はいい体験をさせてもらったと思っているよ。ただ、もちろんアニメーションは大好きだし、僕にとって生きがいでもあるんだ。僕がやっていきたいのは、形式にとらわれず“ストーリーを語る”こと。ライカでもいろんなストーリーをいろんなジャンルで語ってきたからね。今後、アニメーションは当然続けていくつもりだけど、『バンブルビー』ではこれまでとは違う欲求を満たすことができたから、実写にもまたトライしていきたいね。

(取材・文・写真=宮川翔)

■公開情報
『バンブルビー』
全国公開中
出演:ヘイリー・スタインフェルド、ジョン・シナ、ジョージ・レンデボーグ・Jr.、ジョン・オーティス、ジェイソン・ドラッカー、パメラ・アドロン、ステファン・シュナイダー
監督:トラヴィス・ナイト
原案:クリスティーナ・ホドソン
脚本:クリスティーナ・ホドソン、ケリー・フレモン・クレイグ
製作:ロレンツォ・ディ・ボナヴェンチュラ、ドン・マーフィ、マイケル・ベイ、マーク・ヴァーラディアン
製作総指揮:スティーヴン・スピルバーグ、ブライアン・ゴールドナー、クリス・プリガム
配給:東和ピクチャーズ
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公式サイト:bumblebeemovie.jp

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