木村佳乃の悪女ぶりの裏側にあった切なさ 『後妻業』遺体をめぐり“木村”対決再び
木村佳乃と木村多江、2人の“木村"の対決が注目を集めているドラマ『後妻業』(カンテレ・フジテレビ系)。“後妻業”(=資産家の老人を狙う遺産相続目当ての結婚詐欺)をなりわいとする悪女・武内小夜子(木村佳乃)を主人公に描かれるサスペンスだ。
第2話で小夜子は、中瀬耕造(泉谷しげる)が病に倒れ入院している隙に、多額の財産が隠されている金庫を開けることに成功する。中から出てきた不動産の権利書や預金通帳など、総額は4000万円。パートナーの柏木(高橋克典)とともにそれらを現金化しようとするが、銀行側は「本人の承諾なしには解約することができない」と言う。なんとかしてお金を手に入れたい小夜子は銀行の担当者を耕造の病室に招き入れ、意識が朦朧としている耕造に口座解約の意思表示をさせる。小夜子と柏木は、まんまと4000万円の現金を手に入れるのだ。
後妻業の手際のよい仕事っぷりが見られたが、一方で登場人物たちの「結婚」に隠された思いが少しずつ見え始め、切なくなる回でもあった。木村佳乃演じる小夜子はとにかく軽快で、木村多江演じる娘・朋美に不信感を抱かれても全くひるむことはない。しかし、金を手に入れた後「仕上げに入る」シーン、すなわち耕造の息の根を止めるというシーンでは、小夜子の顔に暗い影が落ちる。何かを思い出しているかのような切ない表情は、殺意とは違うものだった。柏木とともに耕造の遺産を山分けしているときには、過去に後妻として結婚した男性の顔を思い浮かべていた小夜子。彼女の表情はとてもこわばっていた。耕造との一件の後、教会へ訪れた小夜子は神に祈る。祈りの内容はまだ明かされていないが、幼い頃の彼女が祈る様子も映し出される。小夜子の過去が明かされるとき、後妻業に励む小夜子の印象が変わって見えるのではないだろうか。