『ドラゴンボール超 ブロリー』4DX版はド派手演出の連続! 今までにない挑戦を感じる出来に
座席が前後左右に動き振動する。水が降り注ぎ、煙が舞い、フラッシュがまたたき、風が吹き、香りが立ち込めるなどなど、映画を“観る”、“聴く”だけでなく、“体感する”ことのできる最新の上映設備「4DX」システム 。そんな「4DX」が、ここまで効果的に使われた映画作品があっただろうか。『ドラゴンボール超(スーパー) ブロリー』のことである。
超パワーと超パワーが勢いよく激突する『ドラゴンボール超 ブロリー』と、アトラクションのようなライド感が味わえる「4DX」の組み合わせは、観客も一緒に衝撃を感じ、戦っている気分が味わえる。今回の演出による動きの強度は、9段階のうちの最高である9を多く使用。エクストリーム版で上映される。
ここでは、「4DXエクストリーム版」で本作『ドラゴンボール超 ブロリー』を体感した感想や、同時にいままでにない様々な挑戦を感じさせる内容を、じっくりと考察していきたい。
本作は、鳥山明原作の大人気アニメ『ドラゴンボール』シリーズの劇場版20作目となる記念作品。劇場版シリーズは、2013年の『ドラゴンボールZ 神と神』が17年ぶりの復活作となり、以降『ドラゴンボールZ 復活の「F」』(2015年)、そして本作と続いていく。2015〜18年に放送されたテレビアニメ『ドラゴンボール超(スーパー)』は大ヒットのなか幕を閉じたが、今回シリーズ初の劇場版となり、スクリーンに登場する。
今回の作品で気づかされるのは、絵柄の大胆な変更である。キャラクターやメカニックなどのデザインは原作者・鳥山明が担当しているが、作画監督には新しく『ONE PIECE』や『プリキュア』シリーズなどで原画を手がけてきた新谷直大が務めており、ヴィジュアルが現代的な印象に刷新されている。鳥山明本来の絵柄とは少し離れたように感じるものの、比較的に楽しくのびのびと描いているように感じられるため、いきいきしているという意味では、鳥山明の感覚にむしろ近づいているかもしれない。この思い切った変更はかなり成功しているのではないだろうか。