安藤サクラの演技は視聴者の心を明るくさせる 『まんぷく』第1話に詰まったワクワク感
安藤はこれまでもNHK朝の連続ドラマ小説のヒロインオーディションを受け、何度も落選したという。念願のヒロイン役を受けたとき、安藤は第一子の出産から数ヶ月経ったばかりだった。しかし夫・柄本佑や家族からの励ましにより、連ドラ初の“ママさん”ヒロインとして役を演じることに決めた安藤。NHK公式インタビューによれば、『まんぷく』制作陣がかけた言葉によっても励まされたという。
「『まんぷく』制作陣のみなさまにお会いしたときに、私の娘にとってもスペシャルな時間にしましょうと言ってくださったことが心に響き、一緒に飛び込んでみるか、という気持ちになりました」
ヒロイン役を勝ち取るまでの背景を知ると、安藤が福子を全力投球で演じている理由が容易に理解できる。彼女の女優生活において、とても大きな転機となるだろう。
安藤は当日、公式Twitterにてこんなツイートをしていた。
お茶目なツイートをした安藤からは、福子のキャラクターがにじみ出ているように感じる。朝の連続テレビ小説は長い放送期間を要するが、安藤の女優としての経験と彼女自身のキャラクターから不安は感じられない。福子がこれからどんな風に夫となる萬平と出会い、結婚し、食文化に革命を起こす夫婦となるのか期待が高まる。
脚本を手がけた福田靖によると、今作のモデルである安藤百福の妻・仁子に関する資料はほとんどないと言う。関係者への取材は可能な限り行ったが、日清食品株式会社の創業者である安藤を支えた妻の物語は「限りなくフィクション」だと明かしている。しかしだからこそ「誰もが元気になれる楽しい“朝ドラ”にしなければ意味がありません」と話す福田。
第1話を観る限り、安藤の演技は、誰もが元気になれる楽しい“朝ドラ”を提供してくれることだろう。
■片山香帆
1991年生まれ。東京都在住のライター兼絵描き。映画含む芸術が死ぬほど好き。大学時代は演劇に明け暮れていた。
■放送情報
NHK連続テレビ小説『まんぷく』
10月1日(月)〜2019年3月30日(土)【全151回】
作:福田靖
出演:安藤サクラ、長谷川博己、内田有紀、松下奈緒、要潤、大谷亮平/桐谷健太、片岡愛之助、橋本マナミ、松井玲奈、呉城久美、松坂慶子ほか
語り:芦田愛菜
制作統括:真鍋斎
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/mampuku/