山田洋次「同じアジアの監督として拍手を送りたい」 『ガンジスに還る』著名人コメント到着

『ガンジスに還る』著名人コメント

 10月27日に公開される映画『ガンジスに還る』に、山田洋次や久米宏ら著名人が絶賛コメントを寄せた。

 本作は、『マダム・イン・ニューヨーク』のアディル・フセインが主演を務めるインド映画。誰にでも訪れる“死”というテーマを、ユーモアと人情味溢れるタッチで描き、不器用な親子と、個性的な人々が織りなす心温まる物語。弱冠27歳(撮影時は24歳)の新鋭監督シュバシシュ・ブティアニが監督・脚本を務めた。

 今回本作にコメントを寄せたのは山田や久米ら各界著名人計10名。山田は「人生を静かに、ちょっぴり辛くみつめた素敵な映画。 同じアジアの監督として拍手を送りたい」と絶賛のコメントを寄せている。

コメント一覧

山田洋次(映画監督)

人生を静かに、ちょっぴり辛くみつめた素敵な映画。 同じアジアの監督として拍手を送りたい。

久米宏

生まれる時 意志はないが
死ぬ時には 少しだけその人の意志がある
なんとなくそう考えていた
この映画を観て やはりそうなのだと思った

中沢新一(人類学者)

バラナシのガンジスの岸辺には
たくさんのアシュラムが立ち並び、 死の到来を悟った人々が
そこで最期の時を迎えようとしている。
インドでは死が明確な輪郭をもち、現実の中に姿をあらわしている。
この映画は、死が見える形で実在しているおかげで、
混迷する現代を生きる家族に 真の相互理解が発生する様子を、
静かに描き出している。

井上理津子さん (ノンフイクションライター/『親を送る』)

ガンジス湖畔の親子に、自分のときを重ねた。
「ありがとう」「ごめんなさい」と渦巻いたが、
旅立つ親も同じ思いだったと気付かされた。

若竹千佐子(作家/『おらおらでひとりいぐも』)

死はお祭りなのだ。こちらからあちらへ家移りの祭り。
鉦、太鼓でにぎやかに送り出す原色の祭り。
何か肩の力が抜けた。いいな。こんなの。

玄侑宗久(作家・僧侶)

家族に支えられ、
ゆるぎない死生観のうちに死ねるのは幸福である。
ユーモアと簡潔な描写の積み重ねで
シリアスなテーマを見事に描ききった。
語られる解脱の内容にも私は感じ入った。

毒蝮三太夫(俳優・タレント)

生きるのも“苦”、死ぬのも“苦”。
穏やかに死を迎へる...
歌も踊りもない、インド映画だけど
こんな人生を奥深く考える映画もあるんだ。
何回も観たくなるよ。

岡野雄一(漫画家/『ペコロスの母に会いに行く』)

ガンジス河のほとりの終の棲家が、
母が入所していた橘湾沿いの介護施設に直結し、
親の最期と向き合う息子の心が痛いほどわかりました。
「命」を問う素晴らしい映画です

たかのてるこ(『ガンジス河でバタフライ』著者・旅人・エッセイスト)

母なるガンジスで、こんな風に死ねたら最高。
「いつでも、心の声に従え」
やりたいことを全部やってから、死ぬぞー!

小林紀晴(写真家)

喧騒と静寂、俗と聖が激しく入り混じったバラナシ。
その地で、父は子に何を伝えたかったのか。
生と死がみずからの意思によって、
強く支えられていることかもしれない。

■公開情報
『ガンジスに還る』
10月27日(土)より、岩波ホールほか全国順次公開
監督・脚本:シュバシシュ・ブティアニ
出演:アディル・フセイン、ラリット・ベヘルほか
配給:ビターズ・エンド
2016年/インド/99分/カラー・シネスコ
公式サイト:http://www.bitters.co.jp/ganges/

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