実は隠れた名脇役 『半分、青い。』の“電話”は永野芽郁と佐藤健を繋ぐ重要な役割?
最近の“朝ドラ”ことNHKの連続テレビ小説は、明治から昭和初期を生きた女性の半生を描くことが多かった。そのため、主人公は戦争から何かしらの影響を受けることはほぼ確実で、「ぜいたくは敵だ」とされていた時代背景も伴い、電気を使ったテクノロジーとはほぼ無縁な物語が展開されている。
一方現在放送中の『半分、青い。』は、1971年生まれの楡野鈴愛(永野芽郁)が主人公。70年代はカラーテレビの普及が加速し、80年代はレコードからCDへの転換、そして90年代にはインターネットが家庭に参入し始めるなど、鈴愛が人生を歩むとともに、電化製品の普及や進化が進んでいくゆえ、セットにある小道具の時代の移り変わりも本作の隠れた魅力の1つとなっている。
そんな時代を突っ走る本作のなかで、最も活躍しているテクノロジーと言っても過言ではないのが“電話”だ。日本で最初に電話が開通したのは1890年のこと。それからの一般家庭への普及はかなり時間がかかったもので、日本の半分以上の家庭にある状態になったのは1975年に入ってからだったという。つまり、鈴愛が怒涛の人生を歩むとともに、電話も数々の形態を経てぐんぐんと成長していく。
もはや当たり前過ぎて説明するまでもないが、どんなに遠く離れていても、相手の呼吸を感じられるのが電話の最大のメリット。面と向かったときのような温もりは感じられないものの、通話は顔と顔を合わせないからこそ本音を打ち明けることができることもある。そんな魔法の力を持つ電話は、鈴愛と律(佐藤健)の関係を繋ぐツールとして活躍してきた。
第123話でも回想として一瞬登場したが、鈴愛をはじめとした梟会は、子供の頃に川と川を挟んだ大きな糸電話を作ったことがある。川を挟んで、「鈴愛〜」「律〜」と名前を呼び合う2人を見て、ブッチャー(大竹悠義)は「なんやそれ、愛の告白?」とツッコんでいたが、2人の電話を介した関係は思い返してみればここから始まっていたように思う。