『半分、青い。』鈴愛と律の関係性に再び変化 律の母・和子が2人に残したもの
第19週より東京から岐阜・梟町に舞台を移し、再会した律と鈴愛の関係は、少しずつ変化している。互いに結婚し、子供がいて、40歳目前。鈴愛が晴(松雪泰子)との会話の中で、改めて律との関係性に「律は友達? 何やろ、もっと特別や」と自問自答していたように、2人の間柄は次の段階へと進んでいる。それを象徴するのが、和子が亡くなり、川辺で物思いにふける律に鈴愛が声をかける場面。9歳の秋に左耳の聴力をなくした鈴愛と母親を亡くした律。律がいなくなり直感的に探しに行ったのがこの川であるように、2人にとって思い出の大事な場所だ。いまさら2人には多くの言葉はいらない。「あ……1人のほうがいいか」という鈴愛の気遣いに、律は「いや、いいよ。てか、いろよ。いてよ」と答える。和子を亡くしたことから押し寄せる寂しさ。律の言葉からは、いまだ強く残る内省的な性格と、「いてよ」という自分の殻から一歩踏み出す勇気が見える。今度は律が鈴愛を頼る番。和子の死を経て、律が示した思いに、鈴愛も表情に笑みを浮かべる。
一方で、第21週では、津曲(有田哲平)という新たなキャラが登場し、異彩を放った。花野(山崎莉里那)のフィギュアスケートへの目覚めも気になるところだが、第22週「何とかしたい!」の予告では、津曲の妹・恵子(小西真奈美)が新キャストとして出演。全身緑色という出で立ちがすでに強烈なインパクトを残している。放送も9月29日の最終回まであと1カ月ほど。物語はいよいよラストスパートに突入していく。
■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter
■放送情報
NHK連続テレビ小説『半分、青い。』
平成30年4月2日(月)~9月29日(土)<全156回(予定)>
作:北川悦吏子
出演:永野芽郁、松雪泰子、滝藤賢一、上村海成/佐藤健、原田知世、谷原章介/矢本悠馬、奈緒/清野菜名、志尊淳
制作統括:勝田夏子
プロデューサー:松園武大
演出:田中健二、土井祥平、橋爪紳一朗ほか
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/hanbunaoi/