くだらない偏見を打ち破る! 山崎賢人の努力がもたらした『グッド・ドクター』の成功
今夏ドラマの中で、良い意味で最も予想を裏切ってくれたのは、『グッド・ドクター』(フジテレビ系)、しかも、主演の山崎賢人である。
正直、放送開始前には「韓国ドラマのリメイク」で、重いテーマの「医療モノ」、しかも、「イケメン俳優・山崎賢人」主演ということで、あまり食指が動かなかった。
だが、初回を観てすぐに、食わず嫌いはダメだと痛感させられた。
山崎が演じるのは、自閉症スペクトラム障がいでコミュニケーション能力に難を抱える一方、驚異的な記憶力を持つ「サヴァン症候群」の青年・新堂湊。幼い頃に兄を亡くしたことから、「すべての子どもを大人にしたい」という夢を持ち、小児外科医になったという役柄だ。
新堂は、知識は非常に豊富で、医療のこととなると、句読点がないほど淀みなくスムーズに、理路整然と平坦な調子で喋る。しかし、普段はいつもどこかオドオド、考え込んでいる目配りや、細かな手の動きや立ち方、歩き方をする。
また、表情の変化、表現の仕方は非常に小さいのに、喜怒哀楽は手に取るようにわかる。子どもたちと同じ目線ながら、子どもたちを見守る目はあたたかく、マスクで目しか見えていないときですら、それが新堂であること、その気持ちがよくわかる。
こんなに上手い役者だったのか……と驚いた視聴者は多いことだろう。SNSでも「山崎賢人あまり好きじゃなかったのに演技も中身も凄すぎて見てたら号泣」「山崎賢人あんまり好きじゃなかったんだけど、演技うまくてめっちゃ好印象持った」など、従来のファン以外から絶賛の声が多数あがっているのだ。