関ジャニ∞ 大倉忠義、ディーン・フジオカと共演『モンテ・クリスト伯』で新たな“転換期”迎えるか
ディーン・フジオカが主演を務めるフジテレビ系の木曜劇場『モンテ・クリスト伯 ―華麗なる復讐―』が4月19日よりスタートする。日本では『巌窟王(がんくつおう)』としても知られる、アレクサンドル・デュマの小説『モンテ・クリスト伯』が原作の本作では、愛する女性と未来の家族を奪われ、15年間という長い地獄のような投獄生活を送ってきた主人公・柴門暖(ディーン・フジオカ)が、冤罪で地獄に突き落とされた環境から何とか這い上がり、自らを陥れた者たちへ“復讐”をしていく模様が描かれる。
『探偵の探偵』(2015年)以来、約3年ぶりのフジテレビ系ドラマ出演となるディーン・フジオカが、連続ドラマ単独初主演を務めることでも話題になっている本作だが、新井浩文と高橋克典とともに、ディーン演じる主人公・暖の復讐の矛先となる主要人物を演じる、関ジャニ∞・大倉忠義のキャスティングにも注目が集まっている。
大倉が本作で演じるのは、暖の最大の復讐の矛先となる“恋敵”南条幸男。幸男は、仲の良い先輩である暖と暖の愛する女性・目黒すみれ(山本美月)との婚約を祝いながらも、実はすみれのことを密かに愛し、暖に対して嫉妬の念を抱いている。自らは売れない役者をやっており、愛する女性も出世も手にした暖に憎悪にも近い感情を抱き、暖を葬る最後のボタンを押す人物だ。
3年ぶりの連続ドラマ出演となる大倉の役者としてのタイプについて、同じ関ジャニ∞のメンバーである錦戸亮との違いを、芸能ライターの佐藤結衣氏に聞いた。
「関ジャニ∞の中では、大倉さんと錦戸さんが俳優業を充実させている印象です。おふたりともスマートなルックスで、見る者の心を揺さぶる演技をされますが、その成長曲線は大きく異なるように思います。どちらかと言えば錦戸さんが直感的なのに対して、大倉さんは経験的。天性の勘の良さと実直に努力を重ねていくタイプの差を感じます。大倉さんの演技が年々高い評価を得ていくのも納得です」
そんな大倉の演技のキャリアにおいては、“転換期”があると佐藤氏は続ける。
「ジャニーズJr.時代はなかなかスポットライトに当たらず、悔しい思いを続けていた大倉さん。しかし愛されキャラの彼の前には必ずチャンスとなる“転換期”が訪れます。追い詰められたときに、急激な成長を見せるのが、大倉さんの素晴らしいところ。関ジャニ∞のドラムに推薦されたときもそうでした。そして、東山紀之さんが主演を務めた『必殺仕事人2007』(テレビ朝日系)で、からくり屋の源太役に抜擢されたときも。しかし、その続編となる『必殺仕事人2009』では殉死することになりました。大倉さん自身は、うまく結果が出せなくてそういう流れになったと思ったようですが、その裏では中村主水を演じた故・藤田まことさんが、『大倉くんを殺すなら俺を降ろせ』とスタッフに言っていたというエピソードがあります。それを知った大倉さんは、『もっと頑張らないといけない』と気持ちを切り替え、壮絶なラストを見事に演じきりました。そのように、大倉さんはがむしゃらにやって光っていくタイプ。映画『疾風ロンド』で共演した阿部寛さんからも『不思議な面白さがある』と言われていたように、放っておけない人間的魅力が役を通して見えるのが、大倉さんの演技の魅力ではないかと思います」