佐々木蔵之介の本心に驚愕 『FINAL CUT』登場人物それぞれの思惑が明らかに
2月27日に放送された『FINAL CUT』(カンテレ・フジテレビ系)の第7話「真犯人はそこにいた…一線を越えた夜!」。12年前、テレビ番組『ザ・プレミアワイド』がきっかけで、母・恭子(裕木奈江)を殺人犯扱いされ、無実の罪で亡くした男・中村慶介(亀梨和也)。慶介はその事件の真犯人が、小河原祥太だと睨んでいた。祥太は当時、恭子が園長を務めていた保育園「ルミナスキッズ」の上階で経営していた「小河原法律事務所」の弁護士・達夫(升毅)の息子。達夫は、警視庁刑事部長の芳賀恒彦(鶴見辰吾)とつながりを持っている。そして、芳賀は事件当時、『ザ・プレミアワイド』の司会者・百々瀬塁(藤木直人)に捜査情報をリークした男だった。そんな芳賀に、ついに慶介が致命的弱点を捉えた映像“ファイナルカット”を突きつける。
第7話では、登場人物それぞれの思惑が明らかになった。百々瀬は自身の番組『ザ・プレミアワイド』で、壮大なリアリティショーを披露するために、事件の真相を探り、芳賀は慶介を刑法第222条“脅迫罪”で逮捕しようと目論む。さらに小河原家の次女・若葉(橋本環奈)は、慶介を手に入れるために、兄・祥太を調べると言い、慶介の幼馴染・野田大地(高木雄也)は、両親に暴力を振るわれる中、唯一優しくしてくれたのが恭子先生だったからという理由で、慶介をサポートしていることがわかった。
そんな中で、もっとも驚いたのが、高田清一郎(佐々木蔵之介)の思惑ではないだろうか。12年前に祥太を調べようとした高田は、無認可保育園女児殺害事件の捜査担当を突如外されていた。それにより、闇雲に行動すれば、かえって真相は遠のくということを実感したという。以後、慎重な行動を心がけた高田は、芳賀らに近づき、メディアにもパイプを持っていった。すべては事件の真相を遺族に報告するために。慶介は、高田の本心を知った際に「ずっと、疑ってました。こんな風に、小河原祥太の情報を消したり、捜査状況をメディアにリークしたのは、高田さんかと……」と本音を吐露していたが、私たち視聴者もまた、高田は慶介の敵なのでは?と思っていたはずだ。そして、慶介の敵である芳賀たちも、高田は味方だと信じて疑わなかった。“敵を欺くにはまず味方から”ということだろうか。遺族以外のすべての人物が、高田に騙されていたのではないだろうか。
だが、そんな高田は、警察幹部やメディアの懐に入るフリすらも、本当は自身の信念に背くことだったのではないだろうか。12年経った今も、被害者の女児の誕生日と命日には、遺族の元を訪れるほど誠実な男である。そう思うと、無認可保育園女児殺害事件という一つの事件は、被害者、加害者だけでなく、多くの人の人生を歪ませているのではないだろうか。無実の罪を着せられた恭子は自殺し、息子の慶介と幼なじみの大地は、復讐のためだけに生き、犯罪に手を染める。そして、真犯人である小河原家は、家族の絆が徐々に崩壊し始め、捜査線上から祥太の名前を消した芳賀は、自身のキャリアが失われる危機に直面。そして、百々瀬ら『ザ・プレミアワイド』の面々も、取り憑かれたように12年前の事件を洗い直し、祥太を追っていく。小河原家の長女・雪子(栗山千明)と若葉はともに、自身の目的のために嘘を吐いていた慶介を愛してしまい、その想いに苦しめられる。一つの事件が、12年経った今も、様々な人に呪いのようにまとわりついて離れない。