中国が本気を出してきたアクション超大作『戦狼/ウルフ・オブ・ウォー』の凄まじい男気


 戦場を彩るキレまくりの功夫、難聴になりそうなほどの大爆発に銃撃戦、中国軍全面協力の戦車大暴走……アクション的な見どころは数え切れません。もちろん、スティーヴン・セガールの『沈黙の陰謀』(98年)を彷彿とさせる「殺人ウィルスとは何だったのか問題」など、お話の上での粗はあります。また、この作品の政治的な部分は避けて通れません。(恐らく)中国以外の客をあまり意識していないので、私自身も若干の居心地の悪さは感じました。最後の直球すぎるメッセージなど、ある意味で今年一番衝撃的なラストカットかもしれません。そんな問題を抱えた映画でもありますが、アクション映画的にとんでもないのもまた事実です。中国映画にとって一つのターニングポイントであり、どんな形であれ後の世まで語り継がれる作品なのは間違いないでしょう。最初に書いたようなアメリカ・ロシアのそういった映画と同様に、「これはこういうものだ」と割り切って観ることができるなら、国を挙げてのスペクタクル・アクションはきっと貴方を満足させてくれることでしょう。

■加藤よしき
ライター。1986年生まれ。暴力的な映画が主な守備範囲です。
『別冊映画秘宝 90年代狂い咲きVシネマ地獄』に記事を数本書いています。

『戦狼/ウルフ・オブ・ウォー』予告編

 

■公開情報
『戦狼/ウルフ・オブ・ウォー』
1月12日(金)よりTOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国ロードショー
出演:ウー・ジン、フランク・グリロ、セリーナ・ジェイド、ウー・ガン、チャン・ハン、ユー・ナン
監督・脚本・製作総指揮:ウー・ジン
脚本:クン・ドン
撮影:ピーター・ニョール
アクション監督:サム・ハーグレーヴ、ウォン・ワイ・レオン
編集:チュン・カーファイ
配給:KADOKAWA
宣伝:フリーマン・オフィス
提供:AMGエンタテインメント/ポリゴンマジック
原題:戦狼2/Wolf Warrior II/中国/123分/シネマスコープ/5.1ch
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公式サイト:http://senrou-movie.jp

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