窪田正孝×永野芽郁、11歳差の掛け合いに期待 『僕たちがやりました』は今期最大の注目作だ

 窪田正孝が主演を務める、関西テレビ・フジテレビ系火曜9時新ドラマ『僕たちがやりました』が、7月18日に第1話の放送を迎える。28歳の窪田正孝が高校生役で主演を務めることや、物語の中心人物となる凡下高校に通う高校生(とOB)を演じた、窪田、間宮祥太朗、葉山奨之、今野浩喜の4人が、主題歌を担当するDISH//とスペシャルユニットを組んで音源を発表するなど、放送前から早くも大きな話題を呼んでいる。ここでは、第1話の放送に向けて、『僕たちがやりました』が今期ドラマの中でも最大の注目作であることを、いくつかのポイントとともに紹介していきたい。

関西テレビ「火曜9時枠」としての新しさ

 2016年の10月クールに放送された、吉田羊主演ドラマ『メディカルチーム レディ・ダ・ヴィンチの診断』より、それまでの22時スタートだった枠から、1時間前倒して21時スタートとなった関西テレビ制作の火曜連続ドラマ枠。これまで放送されてきた作品を振り返ってみると、『メディカルチーム レディ・ダ・ヴィンチの診断』にはじまり、草なぎ剛主演『嘘の戦争』、小栗旬主演『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』と、重厚感のあるミステリーやサスペンスといった趣が強く、ドラマ視聴者層の王道であるF1層(20~34歳の女性)やM1層(20~34歳の男性)よりも上の層を意識している印象が強かった。

 しかし、今回の『僕たちがやりました』は、放送枠移動後、初めて高校生が主人公のドラマだ。キャストのフレッシュさを見てもわかるように、より若い層をターゲットにしていることがうかがい知れる。Twitterの番組公式アカウントはもうすぐ10万フォロワーに到達する勢いで、今期ドラマ公式Twitterアカウントの中では、今回が3rd seasonで既に固定ファンがついている『コード・ブルー』の約14万フォロワーを除いて、頭ひとつ飛び抜けたフォロワー数を既に獲得している。このことからも、SNSなどでティーン層を中心に大きな話題になることは間違いないだろう。

連続ドラマ化に適した原作コミックの内容とその面白さ

 さらに、原作がないオリジナル脚本だったこれまでの3作品と違い、『僕たちがやりました』は『週刊ヤングマガジン』で連載されていた、『神さまの言うとおり』の金城宗幸が原作、『ヤンキー塾へ行く』の荒木光が漫画を担当した同名コミックが原作。何事も“そこそこ”で生きていければいいと思っていた凡下高校の2年生・増渕トビオたちだったが、ちょっとしたいたずら心でヤンキー高校の不良たちをターゲットに企てた復讐が爆破事件に発展してしまう。“爆破事件の容疑者”になったトビオたちは、“逃げる”ことを選ぶのだった……。

 これは作者たちもその大きな影響を公言していることだが、『僕たちがやりました』には、『行け!稲中卓球部』のようなギャグのキレ具合があるのはもちろん、『ヒミズ』や『シガテラ』のようなシリアスさもあり、古谷実作品に通じる部分がある。古谷実作品の主人公は、大抵どうしようもないやつばかりだが、『僕たちがやりました』に登場するキャラクターもほぼ全員がどうしようもない。人はギリギリに追い詰められてしまった時、一体どのような行動を起こすのか。読み進めていくに連れて登場人物たちの葛藤や内面に抱えているものがあらわになっていき、クズだと思っていた彼らに感情移入したり共感したりもしてしまう。そういった意味では、全9巻という原作のコンパクトさもさることながら、スピード感がある話の展開は、連続ドラマにするには適している題材だと言えるだろう。

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