山下智久主演『コード・ブルー』3rd season、いよいよ今夜放送へ 群像劇としての魅力を探る
ドラマ『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』(以下、『コード・ブルー』)の3rd seasonが今夜21時から放送スタートする。これまでの過去2シーズンの平均視聴率は、1st seasonが15.9%、2nd seasonが16.6%と非常に高い数字を記録し、人気シリーズとして定着した。過去2作同様、救命センターの医師を務めた山下智久、新垣結衣、戸田恵梨香、浅利陽介、看護師の比嘉愛未ら、メインキャストはそのまま、新たなに有岡大貴、成田凌、新木優子、馬場ふみから新メンバーが加わり、更なる展開が期待される3rd season。そんな人気シリーズの魅力に迫る。
本作の魅力は、なんといってもキャラクターそれぞれに感情移入できることだろう。向上心が高く、名医を目指し妥協しない野心家だが、祖母を心から大切に思う優しい一面を持つ藍沢耕作(山下智久)、有名医大教授の父を持ち、地元にドクターヘリの技術を持ち帰ろうと努力する真面目な性格だが、やや内気で自己主張ができない白石恵(新垣結衣)、勝ち気でプライドが高く仲間へのライバル意識が高いが、正義感が強くナイーブな一面を持つ緋山美帆子(戸田恵梨香)、調子者で明るいが、臆病で撃たれ弱い藤川一男(浅利陽介)、そして医師ではないが最年少フライトナースとして、ドクター以上の知識を持ち合わせているものの、家族の愛を感じられずに育ったと感じる心の寂しさを持つ冴島はるか(比嘉愛未)など……それぞれが強さと弱さを抱えている。
「○○だが○○」という多面的なキャラクター設定は、ドラマや映画の人物造形には欠かせない王道といえばそうなのだが、『コード・ブルー』では、それぞれのキャラクターの長所が相手の短所を補い、また短所が相手の長所を引き出すという、非常にバランスの取れた群像劇として成立しているため、登場するすべてのキャラクターに感情移入できるのだ。もちろん、事件や事故が起こるという医療ドラマとしてのストーリー展開はあるのだが、視聴者は話の筋を追うというより、キャラクターを見守ることによって、自然と物語に入り込める。ストーリーに沿ってキャラクターが動くのではなく、キャラクターが動くことによって、話が展開していくので、より深く作品に入り込める。
また、これまで数々の医療ドラマの名作が誕生しているが、“スーパードクター”が主人公の作品が多い。例えば、『振り返れば奴がいる』(フジテレビ系)で織田裕二が演じた司馬先生、『救命病棟24時』シリーズ(フジテレビ系)で江口洋介が演じた進藤先生、『医龍-Team Medical Dragon-』シリーズ(フジテレビ系)で坂口憲二が演じた朝田先生などが思い浮かぶが、『コード・ブルー』では、フェロードクターからの技術的な面と精神的な部分での成長が、日常を含めて丁寧に描かれており、視聴者は、よりリアリティを感じることができる。こうした部分もキャラクターに感情移入しやすい要素の一つだろう。