長瀬智也、20年ぶりラブストーリーへの気合い ついに“三枚目兄貴キャラ”から脱皮か?

 長瀬智也が日曜劇場『ごめん、愛してる』(TBS、日曜21:00)で、久々のシリアスなラブストーリーに挑んでいる。どのくらい久々かというと、1998年に出演した『ラブとエロス』以来、約20年ぶりというから驚く。主演を張る俳優で、こんなに長く純愛ものから遠ざかっていられたのはおそらく彼くらいのもの。一方で、ついに“封印”を解くときが来たのかと楽しみな部分もある。

 本作のオリジナルは韓国で最高視聴率29.2%を記録する社会現象を巻き起こしたドラマで、中国やトルコなどでもリメイクが制作されてきたいわば人気コンテンツだ。長瀬が演じる岡崎律は、孤児として育ち、韓国マフィアの一味として暮らしてきた青年。ある事故をきっかけに余命がわずかとなり、母を探して日本へ旅立ち、そこで母・麗子(大竹しのぶ)と弟・サトル(坂口健太郎)、サトルに思いを寄せながら律にも惹かれていく凛華(吉岡里帆)らと出会い、葛藤の中で人を愛することに目覚めていく。余命わずか”“天涯孤独”“血がつながらない兄弟”“一方通行の愛”など韓流ドラマらしいベタ要素満載の物語を、長瀬がどう引っ張っていくのかが見どころだ。

 「TOKIO」のメンバーになる以前の1993年から俳優活動を始めた長瀬。背が高く、整った顔立ち、どこかオリエンタルな匂いも感じさせ、当時の彼はまさに美少年といった言葉がぴったりだった。1996年に放映され、以降5度にわたってスペシャルドラマが制作された『白線流し』は当時の代表作。不遇の子供時代を過ごし、周囲とうまく関われずに生きながらもひたむきに夢を追う少年を繊細に演じ、一気に俳優としての評価を押し上げた。転機となったのは、今なお根強いファンを持つ2000年の『池袋ウエストゲートパーク』。本作で演じた真島誠のような男気あふれるやんちゃな3枚目は、その後の長瀬の鉄板キャラに。『タイガー&ドラゴン』(2005年)、映画『真夜中の弥次さん喜多さん』(2005年)、『うぬぼれ刑事』(2010年)、映画『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』(2016年)と続く、宮藤官九郎との蜜月もここから始まった。

 彼の魅力と言えば、正統派イケメンでありながら、気さくでお茶目な愛されキャラであるところ。ジャニーズ俳優の中でもとりわけ男性ファンが多いのもこの人間くささにある。近年はそれを活かし、頼もしく豪快な、まさに“兄貴”と呼ぶのがふさわしいイメージに徹してきた。それが、『ごめん、愛してる』で演じる律は、硬派で正義感が強い反面、愛に飢えた哀しみをまとう繊細な男。役の上での内面的なギャップ、そしてバラエティなどで見せる素の表情とのギャップが活きる今回の役柄は、彼の集大成とも言えるものだ。自身も、放映前の一般試写会で、「前回(純愛ドラマを)やらせていたただいたのは19歳くらいの時だったんで、愛の考え方とかも変わっていると思う。『愛してる』の愛を最後まで表現していきたいと思います」とコメント。並々ならぬ意気込みを感じさせる。

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