殺人願望を持つ少年の危うい冒険ーージュブナイルとしての『アイム・ノット・シリアルキラー』

 少年と老人。無限の未来が広がる者と、死が迫りつつある者。この二者が交わるとき、自ずとドラマが生まれる。本作『アイム・ノット・シリアルキラー』は、殺人という忌まわしくも蠱惑的な一点で両者を交差させ、ジュブナイル的なドラマとサスペンスを作り上げた。

 しかもその上で、クライマックスにまさかのツイストを加えることで、ある種のヒーローものとして本作を着地させている。本作には原作小説が存在しており(いわゆるヤング・アダルトものらしい)、現在もなおシリーズは続いていると聞く。もし可能なら続編を待ちたい。クレイトンでの危うい冒険は、始まったばかりなのだから。

『アイム・ノット・シリアルキラー』予告編

■加藤よしき
ライター。1986年生まれ。暴力的な映画が主な守備範囲です。
『別冊映画秘宝 90年代狂い咲きVシネマ地獄』に記事を数本書いています。

■公開情報
『アイム・ノット・シリアルキラー』
6月10日(土)より新宿シネマカリテほか全国順次公開
監督:ビリー・オブライエン
出演:マックス・レコーズ、クリストファー・ロイド
配給:松竹メディア事業部
2016年/アメリカ/86分/PG12
(c)2016 FLOODLAND PICTURES AND THE TEA SHOP & FILM COMPANY
公式サイト:iamnotserialkiller.jp

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