手嶌葵、西川美和監督最新作『永い言い訳』挿入歌を担当へ 西川監督「見事な“最終兵器”」

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(上)本木雅弘(下)手嶌葵

 西川美和監督最新作『永い言い訳』の劇中挿入歌を手嶌葵が担当することが決定し、あわせて予告映像が公開された。

 本作は、ひとを愛することの“素晴らしさと歯がゆさ”を描いたラブストーリー。妻・夏子が事故で亡くなるも、悲劇の主人公を装うことしかできない人気作家、津村啓こと衣笠幸夫が、様々な人との出会いや触れ合いを通して、誰かのために生きる幸せを知っていく模様を描く。

 主人公の幸夫役を本木雅弘、妻・夏子役を深津絵里、妻の親友の夫・陽一役を竹原ピストルが演じるほか、池松壮亮、黒木華、山田真歩、堀内敬子などが脇を固める。

 手嶌葵が唄うのは、劇中挿入歌となるオペラ楽曲「オンブラ・マイ・フ」。手嶌の歌声も披露されている予告編は、妻・夏子が亡くなったシーンから始まる。幸夫が陽一に出会い、子供たちの面倒を見る姿や、人を愛することを知っていく模様などが収められている。

『永い言い訳』予告映像

挿入歌:手嶌葵コメント

西川監督の素敵な映画の挿入歌を歌わせて頂き、とても光栄に思っております。ご依頼を頂いた時は、まさかオペラの曲だなんて! と正直驚きましたが、私なりに大切に歌わせて頂きました。たくさんの方にご覧になって頂きたいなと思います。

原作・脚本・監督:西川美和コメント

原作を書いていた頃から、この作品はヘンデルの「調子の良い鍛冶屋」に始まり、「調子の良い鍛冶屋」で終わる、と決めていました。
それを軸にして、全ての音楽を考えて行こうと思ったとき、音楽の伊藤秀紀さんから「クライマックスを飾る曲に」と同じヘンデル作曲の歌曲「オンブラ・マイ・フ」を提案されました。初めに聴いたのはダイナミックで圧倒的なキャスリーン・バトル版でしたが、本作のために欲しかったのは、声楽家による王道的なアプローチではなく、「こんな風にオンブラ・マイ・フを歌う人は世界中に一人もみつからないだろう」と思えるタイプの声でした。
東洋人の声質にしかないきめの細かさ、純粋さ、やさしさを持つ、唯一無二の歌い手を、とお願いすると、吉田拓郎さんの名曲「流星」の手嶌葵さんによるカバーを聴かされました。初めの数秒を聴いて、この映画はこの声に救ってもらえる、と確信しました。
冬の夜の澄み切った空気のような手嶌版「オンブラ・マイ・フ」は、すべてを洗い流し、主人公を再出発に導いてくれる見事な「最終兵器」となってくれたと感じています。自分の作った映画なのに、手嶌さんの声が聴こえ始めるとあやうく涙腺が緩みそうになるので、たいへん危険です。

■公開情報
『永い言い訳』
10月14日(金)全国ロードショー
出演:本木雅弘、竹原ピストル、藤田健心、白鳥玉季、堀内敬子、池松壮亮、黒木華、山田真歩、深津絵里
原作・脚本・監督:西川美和
原作:「永い言い訳」(文藝春秋刊)
配給:アスミック・エース
(c)2016「永い言い訳」製作委員会
公式サイト:nagai-iiwake.com/

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