『キック・アス』ヒット・ガール役、クロエ・グレース・モレッツはどんな女優に成長した?

クロエ・グレース・モレッツ評

 そんな彼女が、徹底的に悪役に徹した最新作『ダーク・プレイス』が、もうじき公開される。『ゴーン・ガール』のギリアン・フリン原作の「冥闇」を映画化した同作で、クロエが演じるのは、主人公リビー(シャリーズ・セロン)の一家惨殺に関わる重要参考人の一人。これまで演じてきた役柄とは全く違う、陰で悪魔を崇拝している地主のお嬢様だ。地元の男たちをたぶらかし、深夜に儀式のためのいけにえとして、牛を惨殺するという過激なキャラクター(まるで『キャリー』の真逆なポジションだ)で、また新たな一面を見せてくれる。

 子役出身で、成功した女優の代表として、必ず名前が上がってくるのはジョディ・フォスターだが、クロエ自身が意識しているのは『レオン』のナタリー・ポートマンだとかつてインタビューで語っていた。両親と弟を殺され、殺し屋レオンの元で修行を重ねる少女マチルダの姿の健気な姿が印象に残るが、やはり子役出身という点でクロエの女優魂にも火をつけるのだろう。

 子役出身でオスカー女優となったジョディ・フォスター、そして『ブラック・スワン』の熱演で見事にオスカー女優の仲間入りを果たした憧れのポートマンの後に続き、次の子役出身のオスカー女優として、第一線で活躍し続けて欲しい。

■鶴巻忠弘
映画ライター 1969年生まれ。ノストラダムスの大予言を信じて1999年からフリーのライターとして活動開始。予言が外れた今も活動中。『2001年宇宙の旅』をテアトル東京のシネラマで観た事と、『ワイルドバンチ』70mm版をLAのシネラマドームで観た事を心の糧にしている残念な中年(苦笑)。

 

■公開情報
『フィフス・ウェイブ』
4月23日(土)全国ロードショー
監督:J・ブレイクソン
出演:クロエ・グレース・モレッツ、トビー・マグワイア、ニック・ロビンソン
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
公式サイト:www.5thwave.jp

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