川栄李奈、松井玲奈、前田敦子……AKBグループ出身女優の成否をわけるものは?

 AKB48に限らず、アイドルから女優へのシフトチェンジには「そんなに甘くない」という否定的な先入観を持つ人が多いのは事実だろう。特に一時代を築いたAKB48グループのメンバーとなれば、それはさらに強まる。本人たちも自覚しているのか、会見やインタビューでは「勉強させていただく」等の謙虚な発言が多い。そんな自信のなさを解消していくのは“経験”と“出会い”なのだろう。 

 女優としての潜在能力を開花させるには、力を引き出せるクリエイターとの出会いは必須といえる。前田は、世界観に心酔しているという山下監督の『苦役列車』で女優として高い評価を得て『もらとりあむタマ子』で再タッグを組んだ。篠田は園監督の現場で女優という仕事に魅了され、秋元は三谷監督との出会いで女優業に正面から向き合う決意を固めたと語っている。

 それぞれが出演している作品はエンタメ系、アート系とさまざまだが、アイドルとして一線で活躍してきた彼女たちにとってはすでに認知されている“華”よりも“陰”をどれだけ新しい一面として表現できるか、そんな部分を引き出せるクリエイターとの出会いが“女優”としての成否の明暗を分けるのではないだろうか。こんな視点で彼女たちの今後の活動を見てみるのも面白いかもしれない。

■磯部正和
雑誌の編集、スポーツ紙を経て映画ライターに。基本的に洋画が好きだが、仕事の関係で、近年は邦画を中心に鑑賞。本当は音楽が一番好き。不世出のギタリスト、ランディ・ローズとの出会いがこの仕事に就いたきっかけ。

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