脚本家・演出家/登米裕一の日常的演技論
Kis-My-Ft2藤ヶ谷太輔、なぜ同性からもモテるのか? 若手演出家が演技面から考察
逆に呼吸が安定している人を見ていると、こちらも安定した呼吸が出来るために心が安らぎます。さらに、本来なら呼吸(心)が乱れるような場面でさえ安定した呼吸が出来る人だと、頼り甲斐があるように思えて、つい「カッコイイ」と感じてしまいます。これは男女問わずに共通した感覚で、尊敬されている人や安心感を与えられる人ほど、難しい状況でも呼吸の重心は低く安定しています。
もちろん、呼吸を安定させるのは意識してもなかなか難しいものです。それをさらりとできているからこそ、藤ヶ谷君は同性から見てもカッコイイし、なんだか信頼できる男に見えるのでしょう。そしてそんな藤ヶ谷君は、演出家として見ても、やはり魅力的な演者だと感じます。素敵な才能に触れたので心が豊かになりました。ほくほく。
■登米裕一
脚本家・演出家。映画『くちびるに歌を』CX『おわらないものがたり』NHK『謎解きLIVEシリーズ』などの脚本を担当。大学時代に旗揚げをした劇団『キリンバズウカ』の主宰も務める。個性豊かな登場人物たちによる軽快な会話の応酬を持ち味としており、若手作家の躍進著しい演劇界の中でも、大きな注目を集める。また演技指導家としても評価を得ており、現在多くのワークショップ依頼を受けている。