Motörhead・レミーは最高のロックンローラーだったーー『極悪レミー』追悼上映によせて

 レミーの私生活まで入り込み、彼の息子と語り合うシーンでは、親としてのレミーもまた常人離れしたワイルドさを持つ「レミー・キルミスター」そのままであることが容易にわかる。こんなにも素直な親子関係でいられるという事実は、子を持つ親にとっても非常に参考になるのではないだろうか。

 観客や関係者、各著名人から語られるレミーのエピソードも期待を上回る話ばかりだった。たとえば、レミーはある女性ミュージシャンと親友で、彼女は後にMotörheadのファンだった男と結婚するものの、その男はレミーと彼女の関係を疑ってしまったのだという。しかし男の死後、レミーから彼に宛てた手紙がみつかり、そこには「彼女とはただの親友で、神に誓ってなにもない」という趣旨の、真摯なメッセージが書かれていたとのことだ。レミーの優しさが垣間見れるエピソードといえよう。レミーがどれほど偉大で、クズで、素晴らしきロックンローラーであり、最高のロックスターであったかを再認識する。

 大きな拍手と歓声で幕を閉じたこの上映は、映画館の雰囲気自体が今まで経験したことのないもので、世界中でどれほどレミーが、Motörheadが愛されているかが伝わってきた。

 「レミーが死んだ」という事実を受け入れるのは、決して簡単ではない。しかし、彼の偉大さはこの世界が終わりを迎えようとも変わることはない。恐らく二度とMotörheadのライブを観ることはできないだろう。せめてこの映画とレコードで「レミーは死んでいない」ということを噛み締めながら生きていきたい。負け犬として生まれ、勝つために生きたレミー・キルミスターの生き様とともに。

■ISHIYA
アンダーグラウンドシーンやカウンターカルチャーに精通し、バンド活動歴30年の経験を活かした執筆を寄稿。1987年よりBANDのツアーで日本国内を廻り続け、2004年以降はツアーの拠点を海外に移行し、アメリカ、オーストラリアツアーを行っている。今後は東南アジア、ヨーロッパでもツアー予定。音楽の他に映画、不動産も手がけるフリーライター。
FORWARD VOCALIST ex.DEATH SIDE VOCALIST

■上映情報
1月16日(土)~22日(金)<1週間限定> 渋谷HUMAXシネマにて、
1月23日(土)~1月29日(金) <1週間限定> シネ・リーブル梅田にて、
最大音量追悼レイトショー

■映画情報
『極悪レミー』(原題:Lemmy 49% motherfucker  51% son of abitch)
2010年/アメリカ映画/約117分/HD/カラー/ビスタ/英語/デジタル上映
(C)2010 Lemmy Movie LLC
監督・製作:グレッグ・オリヴァー、ウェス・オーショスキー
提供:キングレコード/配給・宣伝:ビーズインターナショナル
公式サイト:www.lemmymovie.jp
facebook:www.facebook.com/lemmymoviejp
twitter:@movie_over_dose

■商品情報
『極悪レミー 殺りすぎなブルーレイBD』
発売中
品番:KIXF-167
価格:4,800+税
発売元:キングレコード

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