満場一致で山田風太郎賞を受賞した傑作! 前川ほまれ『藍色時刻の君たちは』が文庫化

 第14回山田風太郎賞受賞作『藍色時刻の君たちは』(前川ほまれ・著)が、7月30日に創元文芸文庫より刊行された。

 本作は、宮城県の港町を舞台に、家族の介護と家事に追われる高校2年生の小羽、航平、凛子の3人を描く物語。町にやって来た女性・青葉の支援で前向きになっていった矢先、2011年3月の震災により全てが一変する。2022年7月、震災時の後悔と傷を抱えながら看護師になった小羽は旧友たちと再会し、過去や青葉の秘密と向き合っていく。

 2023年、本作は選考委員の満場一致で第14回山田風太郎賞を受賞。選考委員の夢枕獏は「思わず落涙。重いテーマの本だがこの道は希望へと続いている。安心して読まれたし」、朝井まかては「「解放」と「再生」の物語。“かく生きた、生きている”瞬間に何度も胸が震えた」と推薦の言葉を寄せている。

 文庫版には、著者あとがきと瀧井朝世による解説が収録される。瀧井は解説の中で、ヤングケアラーや震災の被災者に向き合う姿勢について「表面だけを見て「可哀想な人」「同情すべき人」と見なすことは短絡的だと、本書は感じさせてくれる」と記している。

 著者の前川ほまれは1986年生まれ、宮城県出身。看護師として働くかたわら小説を執筆し、2017年『跡を消す 特殊清掃専門会社デッドモーニング』で第7回ポプラ社小説新人賞を受賞しデビューした。2020年には『シークレット・ペイン 夜去医療刑務所・南病舎』が第22回大藪春彦賞の候補となり、2023年に『藍色時刻の君たちは』で第14回山田風太郎賞を受賞。その他の著書に『セゾン・サンカンシオン』『臨床のスピカ』『在る。SOGI支援医のカルテ』などがある。

■書誌情報
『藍色時刻の君たちは』
著者:前川ほまれ
判型:文庫判
ページ数:540ページ
装画:かない
装幀:アルビレオ
発売日:7月30日
出版社:東京創元社(創元文芸文庫)

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