「創元 初夏のホンまつり2026」現地レポ 1,000点超の全点棚や『薔薇の名前』限定グッズにファン大興奮

 東京創元社の「創元 初夏のホンまつり2026」が2026年5月22日、23日に開催。本社の屋内駐車場スペースをリアル書店として開放し、自社の単行本や文庫、オリジナルグッズを販売する取り組みだ。あいにくの天候だが、来客の足は途絶えず、会場は大変な賑わいを見せていた。

 新宿区新小川町にある東京創元社は、主にミステリ、SF、ファンタジー作品を多数刊行してきた、今年で創立72年となる老舗の出版社だ。最近では、嶋津輝による『カフェーの帰り道』が第174回直木三十五賞を受賞するなど、一般文芸の作品にも力を入れている。

 会場で圧倒的な存在感を放っていたのは、「現流通書籍」を全点収納した本棚だ。その数なんと1,000点以上。普段、書店の店頭ではなかなか見つけられない貴重な作品やバックリストも、ここなら実際に手にとって選ぶことができる。

 さらに、今回はイベント限定の嬉しい購入特典やノベルティが用意されている。一回の会計で合計5,000円以上購入すると、3色の中からランダムで「くらりステッカー」がもらえるほか、くらりグッズの購入者には名刺サイズの「くらりのカード」がプレゼントされるなど、ファン心をくすぐる仕様が満載だ。

 ほかにも、ファン垂涎の著者サイン入りの本も多数取り揃えられている。東京創元社ファンなら必見のコーナーと言えるだろう。

 昨年のホンまつり以降(2025年5月~2026年5月)の直近1年の間に刊行された作品は、新刊紹介コーナーとして別のブースで展開されており、東京創元社がここ1年でどんな小説を翻訳、出版してきたかを一目で振り返ることができる。買い逃していた話題作をチェックするのにも最適な空間だ。

 ほかにも、東京創元社の編集部がセレクトしたおすすめ書籍のセット販売も。「名探偵セット」「伊能忠敬界隈」「『プロジェクト・ヘイル・メアリー』を観たあとに読むべきSFセット」「お仕事小説っておもしろいよねセット」などなど、編集者による一風変わった切り口が目を引いた。ミステリやSFを読んでみたいけど、どの作品から手に取っていいのか迷っている読者には嬉しいサービスだ。

 書籍だけでなく、思わず手に取りたくなってしまう豊富なグッズ展開も東京創元社の大きな魅力だ。今回のイベントに合わせて作られた新作オリジナルグッズはどれも目移りするものばかり。お馴染みの公式キャラクター「くらり」のぬいぐるみやエコバッグ、アクスタに加え、今回は「くらりのひみつ手帖」と名付けられた可愛らしいミニノートも登場。さらに、白地に猫マーク、黒地におじさんマークをあしらった2種類の「文庫用ブックカバー」や、シンプルで使いやすい「創元推理文庫マーク柄トートバッグ(白)」なども販売され、本と一緒に買い求める人で賑わっていた。

 また、会場入り口には1回300円で回せるガチャガチャ「くらり缶バッジ」が設置されている。初夏新作デザインを含む全4種が用意されており、どれが出るかは回してみてのお楽しみ。くらりファンなら確実にお見逃しなく。

 東京創元社といえば、昨年末に刊行されたウンベルト・エーコの名著『薔薇の名前』完全版の刊行も大きな注目を集めた。完全版にはエーコ自身が下描きした文書館の図面や、登場人物のスケッチ等が収録されている。会場では新作の公式記念グッズとして、エーコによる貴重なイラストや図版をあしらったTシャツやトートバッグ、マグカップ、そして3種1セットのクリアファイルが販売されている。『薔薇の名前』ファン、そしてエーコ文学の愛好家はぜひゲットしておきたい。

 これから会場を訪れる人に一つ注意してほしいのが、イベント内のお支払い方法だ。本イベントの物販は完全なキャッシュレス決済限定となっており、現金での支払いは利用できない。クレジットカードをはじめ、SuicaやPASMOなどの交通系電子マネー、iD、QUICPay、各種QRコード決済(PayPay、d払い、楽天ペイ等)と幅広く対応している。ただし、入り口にある缶バッジのガチャガチャだけは「100円玉3枚」を用いた硬貨式となっているため、あらかじめ小銭を用意していくのがスマートだ。

 会場では、東京創元社の社員から来場客へ、「いつもありがとうございます」という温かい声も聞こえてきた。出版社と読者の距離の近さ、そして直接言葉を交わす笑顔から、この出版社がどれだけ多くの読者から深く愛されてきたかが伝わってくる、そんな素敵な初夏のひとときだった。

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