あのK-POPアイドルの愛読書が日本上陸! 『人生は「気分」が10割』作者の新刊『あなたの人生を変えるのはあなたしかいない』に込められたメッセージとは
「自分の人生の主人公は、自分」。
このわかりきった当たり前のことを簡単に言葉にすることはできても、世知辛い今の世の中で実践していくことほど難しいものはない。
本書『あなたの人生を変えるのはあなたしかいない』(宝島社)は、自分の人生を主人公として生きていくためのヒントを、今すぐできる現実的で身近なアドバイスとともに伝えてくれるエッセイだ。人生において大きな比重をしめる人間関係で最も重要なのは「あなた」であり、「あなた」を大切にするために必要なのは時間や努力といった自己投資である、というメッセージが込められている。
韓国版の原題(※1)を直訳すると『10回うまくいっても、1度のミスで壊れてしまうのが関係だ』となる。K-POPのボーイズグループ「ZEROBASEONE(ゼロベースワン)」のリーダー、ソン・ハンビンの愛読書としてファンの間で話題になった1冊だ。K-POPファンなら“推し”ではなくとも、ソン・ハンビンというアイドルがどれほどの人格者か、メンバーやファンからどれだけ愛されているかを知る人は多いだろう。
人気オーディション番組「BOYS PLANET」から誕生し、新たな体制となる「ZEROBASEONE」はそれぞれの実力と個性が突出したグループで、そのリーダーをつとめるソン・ハンビンは、ダンスはもちろんライブボーカルもすばらしく、ステージ上での華もあり、音楽番組や大きな授賞式のMCも安心して見ていられる。人間性も含め、多方面に優れたアイドルを“六角形アイドル”と呼ぶが、その象徴的な存在といえ、実際に100%ファン投票による「六角形“マンレプ”アーティスト」の第1位に選ばれたこともある(※2 マンレプは満とレベルの合成語。最大レベルのこと)。
その“完璧”アイドルのソン・ハンビンが本書を愛読しているという。本書には「誰かのことが完璧に見えたとしても、それは錯覚にすぎない」との言葉があるが、彼なりの見えぬ努力の賜物なのだろう。だからこそ、今の彼があるのかもしれない。本書に登場する「心が美しい人」の共通点、「好感度の高い人」の口グセなどを読んでみても納得するばかりだ。
そんな本書は、韓国SNSで395万人が共感を寄せた『誤解されても放っておく:もう「気にしすぎる」のは、やめることにした』(三笠書房)、日本でもベストセラーとなった『人生は「気分」が10割ーー最高の一日が続く106の習慣』(ダイヤモンド社)で知られるエッセイスト、キム・ダスルの最新刊。
特に『人生は「気分」が10割』は、世の中は変えられなくても自分の「気分」はコントロールできるというマインドセットが日本でも広く支持され、書店アカウントやインフルエンサーなどがSNSで取り上げた。いわゆる、“自分の機嫌は自分自身でとる”、という考え方である。
その後続作にして、応用編・発展編ともいえるのが本書。4章構成で、おおむね見開き1ページごとにメッセージの項目が立ち、文章はいたってシンプルで気軽に読める。
『人生は「気分」が10割』では「気分」をコントロールするための106のメッセージが、その時々に気になったところから読める構成になっていたが、本書も基本的にはどこから読んでも構わないとは思う。それこそまさに「自分」次第なのだが、まずは第1章から順を追って読んでいったほうが沁みいるはずだ。
第1章は、【この世に「完璧な人」は存在しない】と断言する、「あなた」への応援のメッセージ。第2章【「いい人間関係」は自分から始める】で、人間関係で最も大切なのは「自分」という本題に迫り、第3章は【自分自身を成長させるために必要なこと】として、大切な「自分」のためにできることに触れている。最後に第4章では、【他人に振り回されない生き方を身につける】として、「自分」らしさをどうやって守っていくのかにも迫っていく。
この中にあるいくつものアドバイスは、さながら“アメとムチ”。「あなたの環境や行動を変えられる人は、この世にあなたしかいない」と勇気づけてくれたかと思えば、ときに「毎日ベッドに寝転がってスマホをながめながら、人生が変わることを願うのは虫がよすぎる」とバッサリ。その鋭い言説は、自分自身に思い当たる節があり、人生を省みずにはいられない指摘であれば心臓がギュウっとなることも。その痛みもまたリアルな「自分」の姿だ。
そうした「自分」に照らしつつ読みすすめながらハッとしたり、癒されたりするうちに、人間関係において一番大切なのは「自分」であるという揺るぎない事実と、限りある自分の時間=命を大切な自分以外の何か、たとえば他人や負の感情のために無駄使いしなくていい、というメッセージに心がフッと軽くなってくる。
長く生きていればそれだけ、プライドや経験値から受けとめ方に邪念が入ってしまうものだが、“そんなことはわかっている”“でも、うまくできないんだ!”という「自分」すらも認め、大切にしようという寄り添いがここにはある。
キム・ダスルが支持される一番の理由は、その完璧ではない「自分」の情けなさ、至らなさにも寄り添ってくれること。そして、生きていくためには、大切な「自分」の時間を奪うような人や物事、思考、感情といったものは手放していい、距離を置いてもいい、心のスイッチをオフにしてもいいのだと繰り返していることだ。
ここまで今日という1日を生き抜いたあなたには、あの大ヒット韓国ドラマのように「おつかれさまでした」と声をかけてくれる。「あなたは誰よりも頑張っている」というストレートな励ましにも、きっと救われる人は多いだろう。
こうした確かな温度感のあるアドバイスがあるからこそ、よりよい「自分」の人生のために何かしらの言葉を探している読み手の心に、本書は優しく響いてくる。ふとしたときに、本書にあるような言葉や思考の蓄積があるかないかで、生き方はだいぶ違ってくるはずだ。大切な「自分」自身、「自分」が大切する人へのいたわりを持てる人が、今を自分らしく生き抜いていけるのではないかと思う。
■書誌情報
『あなたの人生を変えるのはあなたしかいない』
著者:キム・ダスル
翻訳:藤田麗子
価格:1,650円
発売日:2026年1月19日
出版社:宝島社
※1
https://www.yes24.com/product/goods/116766927
※2
https://japanese.joins.com/JArticle/324281?sectcode=740&servcode=700